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【投資本】No.017(2) 時価総額が大きい銘柄から買う理由『対TOPIX業種指数チャートの動きに乗る 個人投資家のための「市況株」短期トレード』レビュー(その2)

このサイトでは、毎週木曜日と日曜日に、投資・トレードの記事投稿を目指しています。投資本の紹介と考察、トレード勉強法、売買ルールの作り方を扱っています。

サムネイル,投資本No17の2,機関投資家の市況株の運用方針を知る,個人投資家が市況株に強くなる,投資本おすすめ

前回に引き続き、TOPIXを利用した、市況株セクター(金融・素材・資源株)のスイングトレードをテーマにした本を解説します。

※先に免責事項をお読みいただき、必ずご自身の責任と判断で投資・トレードを行って頂きますよう、お願い致します。

 

 

 

1.なぜ、機関投資家の考え方を知る本が役に立つのか?

機関投資家の考え方を学ぶことは、個人投資家にとって多くのメリットがあります。どれも、利益につながる可能性を1%でも引き上げてくれます。

 ・価格の上下でふるい落とされない。

 ・無理なポジションを持たない。

 ・自分のスタイルとルールが明確になる。

 ・プロの真似をして、相場感覚をつかめる。

 

この本の著者は、元ヘッジファンド勤務の経歴に基づいて、私たちに機関投資家の考え方を教えてくれます。

機関投資家はこう考えるだろう」と予測する力がつけば、機関が買いに来てくれる銘柄を、先に仕込めるようになれるかもしれません。

 

 

2.機関投資家の投資用語を復習する

ベンチマーク/ポートフォリオ/リバランスとは?

さっそく本書に添って、機関投資家が投資をする時の用語や方針をみていきましょう。

 

まず、「ポートフォリオ」とは、株式と債券の比率やセクターごとの割合など、資産を配分している構成を表したものです。そして、「リバランス」とはポートフォリオの内訳を入れ替えることです。

 

ベンチマークは、運用担当者が運用基準にしている指標を言います。ポートフォリオを日本の株式市場の動きに合わせるなら日経平均株価TOPIX、米国株式市場に合わせるのならS&P500ダウ平均株価となります。

 

 

パッシブ運用/アクティブ運用とは?

投資信託を買っている方には、馴染みがある用語ですね。

 

パッシブ運用」の担当者は、資産合計が、ベンチマークとした指数とほぼ同じような値動きをするように銘柄を購入します。

 

アクティブ運用」の担当者は、積極的に利回りを狙い、ベンチマークを上回ることを目指します。そのため、指数を構成するセクターの割合を基準に、運用担当者が自信がある得意な分野は保有割合を増やして、逆に不得意かふつうの分野では無理をせずに少なく保有するというポートフォリオを組みます。

 

機関投資家が苦手な分野が市況株(金融・素材・資源)であることを、第1回で解説しました。

www.maruyoshi30.net

 

 

3.「機関投資家が得意・苦手」という意味を復習

個人も機関も、根拠が確実で強ければ強いほど銘柄を持ち続けることができます。プロの機関投資家にとっては、その根拠が「詳細なファンダメンタル分析をして計算した株価の適正価格」と言えます。

 

アクティブ運用の機関投資家は、「業績を読みやすいセクター(=自信のあるセクター)」に資金を注いで利益を狙いにいきます。著者は、市況株セクター(金融・素材・資源)」は、業績を読みにくく訂正価格を設定しにくいので、ベンチマーク通りに運用されやすいと解説しています。

 

 

4.時価総額が大きい銘柄を投資対象に選ぶ理由

TOPIXの計算には時価総額が使われています。運用担当者にとっては、時価総額が大きな銘柄から選んでいけば、効率よく資産のポートフォリオをTOPIXに合わせることができます。また、空売りをする際も貸株の調達がしやすくなるメリットもあります。このように、機関投資家の行動の選択肢が絞られるという状況は、個人投資家にとっては資金の流れが読みやすくなる有利な状況と言えます。

 

本の解説から、機関投資家がアクティブ・パッシブのどちらであっても、市況株である金融・素材・資源セクターについては、

  1. ベンチマークに似た比率で買われやすい
  2. 時価総額の大きな銘柄ほど組み入れられやすい

という特徴を読み取ることができます。

 

市況株セクターでは、個人投資家は、機関を出し抜くことでもなく、仮想敵として打ち負かすことでもなく、機関の運用担当者と考え方を合わせて同じ方向に進むことで利益を得られると言っているように感じます。

 

 

 

 

5.考察:「報告のしやすさ」が運用担当者の行動を決める?

機関投資家は、一定期間ごとに損益を確定させて運用成績を「報告」する義務があります。一方の、私たち個人投資家は、含み損益を確定するのは2週間後でも、3か月後でも、40年後でもいいのです。

 

市況株を多くのプロが扱わない(扱いたくない?)理由を深く考えると、資金提供者や上司に「報告」がしにくいからかもしれません。ファンダメンタル分析をやりにくい時には「ベンチマーク通りに運用しています」と言う事で運用方針の理由がつき、職業上の身の安全を守れるのだと想像します。

 

6.学びの相乗効果がある本2冊おすすめ

市況株の短期トレードをしたい方は、次の2冊を同時に読むことで、短期トレードの手法や指数の読み方を磨くことができます。

 

<矢口新の短期トレード教室>

 

株価を上げたい/下げたいなら、そのポジションを相手よりも持ち続ける」という考えのもと、短期トレードの理論が解説されています。

 

途中で保有を諦めたり、現金が必要になってポジションを解消する人の売買は、反対のポジションを長く持ち続ける人にとっては追い風になります。トレードにおける「需給」の考え方が、よりスッキリとする一冊です。

 

 

<No.1ストラテジストが教える 相場を大きく動かす「株価指数の読み方・儲け方」>

 

指数とは何か?」をぐんぐん理解できるようになります。日銀のETF買い銘柄入れ替えがどう株価に影響するのかも解説されています。

 

日経平均とTOPIXに影響を与える業種の構成比率が違うことや、上位銘柄が違うことを確認できます。指数の基礎知識はさまざまな投資分野で活用できるほか、「地合い」の良い悪いなども見分ける力を高められます。

 

 

7.中間のまとめ

今日は、機関投資家の運用スタイルを知るために、機関投資家が使う用語に加え、時価総額が大きな銘柄から買うことの意義を確認しました。

 

個人投資家の味方をしてくれる人から知識を得ることで、適度なタイミングでエントリーして、適度なタイミングで手放すトレードの精度を上げられます。

 

次回(7/17)は、いよいよ本のメインテーマでもあるTOPIXを使った具体的な手法の考察です。市況株(金融・素材・資源セクター) の各セクターの特徴や、影響を与える要因は学びが多いです。次回も、考察を行いつつ、内容の紹介を進めます。次回がこの本の解説の最終回です。お楽しみに!

 

 

 

トレードと投資は上達します!