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【投資本】No.014『オーバーナイト投資術』専業トレーダーの思考を知り、トレードスタイルを作る(書評・考察まとめ)

このサイトでは、毎週木曜日と日曜日に、投資・トレードの記事投稿を目指しています。おすすめ本の紹介や、効果的な勉強法、ルールの作り方を扱っています。

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今日は見慣れない名前の投資本を紹介します。タイトルは『一晩寝かせてしっかり儲けるオーバーナイト投資術』です。

 

どのような手法なのか、使えるのか、要約だけでなく考察と合わせて紹介します。

 

 

 

 

 

1.オーバーナイト投資術とは?

オーバーナイト投資術の主な特徴は次の通りです。

  • 信用口座で、買い銘柄Aに対して銘柄Bを空売りして、リスクヘッジをする。
  • 急騰や大きな上昇トレンドで、株価がボリンジャーバンドで±2σをつけた後日の押し目で順張りエントリーをする。
  • 原則はすべて1日だけ持ち越しのスイングトレード。
  • 大引で注文して、翌日の寄り付きで手仕舞う。

 

この手法の肝は、「ヘッジの売りをすることで、損失幅を小さくすること」にあります。

 

 

2.この手法が向いている人

次のような人が向いています。

  • 日中の14時台に値動きを確認できる。
  • 豊富な資金量がある。
  • レバレッジを掛けられる。
  • 複数回エントリーし続けるメンタルがある。

 

結論を言うと、駆け出しの兼業投資家にとっては真似しにくい手法です。

 

 

3.専業トレーダーのスタイルを知る

この本を読むことで、専業トレーダーと、駆け出しの兼業トレーダー/長期投資家との違いを再確認できます。

専業トレーダーと兼業トレーダーの違い

 

本の内容をうのみにせずに、次の6つの項目で、著者との立場の違いを確認しながら読む必要があります。

 

(1)トレードスタイル

著者は、専業トレーダーです。トレードだけで必要生活資金を稼ぎます。一発退場しないように、必ず損失を軽微に抑える必要があるシビアな環境にいます。

 

 

(2)資金量

著者は、ある程度大きな資金を持っていると想像できます。

 

数十万円の資金で短期トレードをしようとしている人とは、全く違う立ち位置にいる人です。

 

 

(3)レバレッジ

著者はレバレッジを掛けられます。

 

自己資金額以上のトレードでの値幅変動にも耐えられる人です。

 

たとえば、50万円を投入して6%変動すると±3万円。レバレッジを掛けて150万円を投入して6%変動すると±9万円です。9万円の含み損に耐えられますか?

 

 

(4)スピード感

著者は、スイングトレードデイトレードで生計を立てています。

 

NISA口座で、投資信託を月1回購入する長期分散投資とは、スピード感も考え方もまったく別物です。

 

 

(5)複数回エントリーをする精神力

著者には数多くのエントリーをするメンタルがあります。

 

売買回数が増えるほどエントリー時の精神的負担が増えます。エントリーするたびに、チャート分析と判断をする労力を注ぎ続けられますか?

 

 

 

(6)システムトレードと裁量トレードの経験

著者はトレード経験が豊富です。

 

明日、専業トレーダーとして生計を立てられるほどの自負と経験がありますか?

 

 

 

以上で見たように、オーバーナイト投資術は専業トレーダー向けの手法で、個人の駆け出し兼業トレーダーの人が真似をするにはハードルが高い手法です。

 

 

では、この本を読んだ兼業トレーダーに何ができるかといえば、手法の一部分を選んで、検証して、取り入れることだと思います。

 

 

4.手法の検証が必要

「急騰や大きな上昇トレンドで、ボリンジャーバンドで±2σをつけた後日の押し目で順張りエントリーをする」というトレードアイディアは、エントリー時の参考にできそうです。

 

ただし、手法は銘柄ごとに検証が必要です。私としては、銘柄ごとに検証をする手間をかけるなら、買った翌日に手仕舞いをするのではなく、ある程度変動幅をとる方が、労力に見合っていると感じます。

 

 

 

5.考察。分散の手法と利益のどちらが欲しいのか?

私は、2銘柄を買いと売りで同時に持つ手法に対して、分散をすることが必ずしも利益につながらないのではないか?」という思いを持ちました。まだまだ素人考えですが、次のように考えました。

 

この手法で2銘柄に分散してヘッジをかけた時、買い銘柄Aと売り銘柄Bの変動の組み合わせは、変動率がすべて同じと仮定して、単純に考えると次の表のようになります

買いと売りの両建て,期待値の計算

「利益・損失・変動なし」は、起こる確率はすべて3分の1です。しかし、現実の損益は違います。この手法には次の要素が含まれていません。

  • 上昇率見込み(%)
  • 下落率見込み(%)
  • 売買手数料
  • エントリー時の銘柄分析の手間
  • エントリー時の精神的負担

 

変動幅がすべて同じことはあり得ません。勝率が低くても、利益率が高ければトータルで利益を出すことは可能です。

 

短期トレードでは、勝率や手法だけではなく、得られる利益の見込み率を考えてエントリーをすることが大事だということを、この本を読んで見つめなおすことができました。

 

 

6.まとめ

オーバーナイト投資術は、主にボリンジャーバンドを使った、順張り押し目狙い・信用取引の投資法です。

 

著者と自分の立ち位置の違いを踏まえて、読んで考える練習ができる本でした。

 

 

※実際に投資トレードをする際は、免責事項を読み、必ずご自身の判断で行って頂きますよう、お願い致します。

 

 

 

投資とトレードは上達します!