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最後に道に迷ったのは何歳だった?(白揚社:失われゆく我々の内なる地図)

このブログでは、読み応えのある本を紹介しています。

今まで読んできた本でランキングを作るなら上位に入れたい本があります。それは『失われゆく我々の内なる地図』です。

 

著者はマイケル・ボンド氏、訳は竹内和世氏。白揚舎(はくようしゃ)から2022年4月に出た本です。

 

1.空間認知とナビゲーション能力

人間の生まれ持っている空間認知能力を扱った本です。ナビゲーション能力、視覚と脳の認識、選択的注意と意思決定、脳血流とアルツハイマー病など、幅広いテーマが書かれています。

 

努力して試行錯誤をした結果として「端を見つけるというフレーズは今でも強く残っています。本で言おうとしていることは環境認識能力探索能力のことです。

 

ラットの迷路探索実験にはじまり、医療機器を使った脳の血流調査ロンドンのタクシー運転運転手の空間認識の解説はとても面白くて、飽きることなく読み進められます。

 

大昔なら道に迷うことは餓死につながりましたが、今の日本ではいつも通り生活をしていればそうそう餓死することもなければ帰り道に迷うこともありません。獲物を求めて山や海を探索しなくなった分、スーパーの特売品探しやネットオフやメルカリの掘り出し物探しに変わったのは幸せなことだと思います。

 

そしてよくよく考えると、人がどこまでの時間軸で未来を考えていて、何に迷っているのかはブラックボックスになっていて見えません。他人が見ている視界・選択して注意を傾けているところ・速い直感的な思考を共有できないという事実があります。そうした「他人のわからなさ」を、科学的な調査で明らかにしようとしたのがこの本です。

 

ビジネス的に考えると、「多くの人がナビゲーションに頼っているなら、ナビゲーションが整っていない、混乱や無秩序の中にある領域はどこか」という視点が勝機になると思います。

 

私が本から一つ連想したのは人生をどう生きるか職業キャリアの探索のことす。これは「比喩表現としての道迷い」と言えます。アドバイスを受けても最終的に決めるのは自分自身ですし、「過去も未来も変わらない役立つスキル」が何なのかは難しいテーマです。

 

もう一つ別の連想として、探索行動と信仰のテーマも思い浮かびました。昔の人が生きるか死ぬかの探索をする途中で、変わらずに目印になってくれる太陽や、星の並びや、地形をつくる自然が信仰の対象になってきたことには、この本を読んでスッと納得できる気がしました。(※GPSの無い時代の戦闘機は、気泡六分儀という道具で星を目印にして機体の位置を測りました)

 

道迷いは不安なものですが、少しは生活の中に無いと刺激が足りません。最後に道に迷った地点は、遠過ぎることがなく近過ぎることもない状態がいい具合だと思います。

 

 

他の白揚社の本

失われゆく我々の内なる地図』は、訳が自然でとても読みやすいところもオススメできるポイントです。白揚社の他の本で気になっている白揚社の本は次の3冊です。

 

不確実性を飼いならす~予測不能な世界を読み解く科学~

不確実性・認知バイアス・意思決定というテーマです。

 

「欲しい!」はこうしてつくられる~脳科学者とマーケターが教える「買い物」の心理

ネットの普及によって、「実際に買う前に、その商品のことをよく知っている」ようになりました。企業もその行動に合わせた対応を始めています。

 

二重スリット実験~量子世界の実在に、どこまで迫れるか~

量子力学の二重スリット実験は、人が観察することで実験結果が変わるという驚きの内容です。大型書店に行くと、量子力学とスピリチュアルの本が一緒に並んでいるちょっと珍しい組み合わせが見られます。