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【教育育児の本】子どもや部下を「ついつい叱り過ぎてしまった」と後悔しても大丈夫!対処法と解決法を『叱る依存が止まらない』で学ぼう

このブログでは、人の認知機能と心理をテーマに記事を投稿しています。

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今日のテーマは「叱る」です。人なら誰でも、つい感情に任せて強く相手に怒ってしまうものです。相手が自分より立場が低い人だったり、小さな子どもだったりすると、よりいっそう叱りやすくなります。

 

ついつい強く叱り過ぎてしまった」と後悔をしていても大丈夫です!振り返って接し方について悩んで考えている時点で、きっとより良い方向に向かえます。今日は、年間200冊以上を読んできた私が、自信をもってオススメできる教育分野の本を紹介します。なぜ叱ってしまうのかの心の動きを知れば、考え方や行動を少しずつ変えられるかもしれません。

 

 

1.もうこれ以上、誰かを叱っても褒められない

私たちがいる社会には、まだまだ「強く叱れる人はデキる人だ」という強い思いを持つ人たちが大勢います。

 

過去を思い返せば、強く叱って場が収まった時に、誰かが褒めてくれませんでしたか?それか、誰かに(理不尽に)キツく叱られた経験はありませんか?

 

叱る行動は、「こうあるべきだ」という社会的な価値観過去の経験が色濃く反映されています。

  • 人を罵倒しようが何しようが、結果が出ればみんなハッピーだ。途中でやめる人は甘えている。
  • 叱れない親や教育者はだめだ。
  • 叱れない人は未熟だ、なめられるぞ。
  • 苦しまないと人は成長しないんだ。

誰かが言っていましたか?それは全部ウソ、まやかし、ポジショントークです。

 

叱る依存が止まらない』では「幻の成功体験」という言葉が出てきます。強く叱ることの悪影響が分かりやすく説明されています。

例えば、強烈に怒鳴りつけると相手は委縮するので、恐怖危機感から素直に言うことを聞くようになります。そして、一度大きな恐怖を与えられた相手はボソッと呟いたあなたの一言にも過敏に反応して顔色をうかがうようになります。なんだ、キツく言えば効果があるじゃないか(=言うことを聞くじゃないか)」という状況は、相手が強烈にネガティブな感情を感じたからこそ成り立ったのです。そこに相手の安心感や、自発的な期待感は生まれません。

 

もちろん、叱ることに100%の正しい答えは無いので、時にはわかってもらうために叱ることも必要です。ですが、お互いが納得してうまく進めることを目的にするならば、叱り続けるという手段をとるのはすこし不健康かもしれません。叱り続ける連鎖や依存を解決するには、いままで、どうして「叱る」ことに頼っていたのか?を考えることが大事です。

 

 

2.叱ると快感が増す

そんなはずが無い!」と否定したくなる気持ちはとてもよくわかります。

 

私も同じです。でも認めないといけないのですね。

 

誰かを叱ることは快感です。圧倒的に正しくて強い立場から、悪いことをした人や、目につく人の欠点を指摘するのは爽快です。癖になります。

 

本の言葉を読んでみましょう。34ページには、

「叱る」の意味は、

  1. 言葉を使って
  2. ネガティブな感情体験(恐怖、不安、苦痛、悲しみなど)を与えることで
  3. 相手の行動や認識の変化を引き起こし
  4. 思うように相手をコントロールしようとする

と書かれてあります。赤字で下線が引かれたところが重要です。「相手がネガティブな感情を持つ」ことと、「相手をコントロールしようとする」ことが叱ることの本質だと説明されています。叱られる側のネガティブ感情がある限り、「怒る」と「叱る」を使い分けることに大した意味はないのですね。

 

わたしの感覚では、「つい強く叱ってしまった……」と後から自己嫌悪や罪悪感が出てくる人は、ちゃんとしたまともな人だと思います。というのも、自分一人の好き勝手な感情で誰かの行動を手取り足取りコントロールし続ける行動は、一般的な感性をもつ人なら罪悪感がわくので、なかなか続けられないからです。

 

振り返りができる人が変われるのは、自分を客観的に見ることができるすごい人だからです。逆に言えば、内省が全くなく、「相手のためになる、相手が生意気だから悪い、変えてあげたい、変わって当然」と言い続ける人は、いつまでも自分だけが正しいと主張する、自己正当化モンスターになります。

 

内省をして、事実に気付ける人は変われます。ここは楽観的に、自信を持っていきましょう。本にはもっと詳しい内容が書かれています。

 

 

3.恐ろしい!エスカレートする「叱る」

自分自身の課題を見つめることは辛いですが、すこし踏ん張ってみる価値はあります。

 

 

この本には、叱る行動がエスカレートする恐ろしい流れが書かれていました。本当に、家庭内や職場、地域の活動やサークルで起こりえることです。

「叱る」ことがある種の快感につながるということは、本来的な目的が達成されていない状況が続いていたとしても、ずっと叱り続けてしまう悪循環に陥りやすいことを意味しています。(67ページ)

 

叱られる側の心理状態について、専門的な言葉で「鋭敏化(えいびんか)」という反応が説明されています。

「叱る」について考えると、一度強く叱責し、相手が泣き出してしまうような状況を生み出すと、叱られた側が軽い小言程度でも過敏に反応するようになる現象がこれに当たるでしょう。(71ページ)

モラハラ夫・モラハラ妻、ワンマン経営者や、支配欲が強い管理職がいる場所ではよく起こる光景です。

 

本当に恐ろしいのはここからです。

そしてそんなことを繰り返していると、日常的な「叱る」だけでは刺激が足りず鋭敏化が起きにくくなるでしょう。そうなると「叱る」を超える強烈な刺激である、「罵倒」や「人格攻撃」「罰」を使用することでしか、鋭敏化を引き起こすことができなくなってしまいます。(中略)より強いネガティブ感情を与えようとする行動は、際限なくエスカレートしていきます。(72ページ)

ここまでくると、パワハラ、DV、虐待です。心身に重大な被害が出てくるでしょう。最近ではマルトリートメントという用語が「虐待まではいかなくても不適切な教育」を指す言葉として広まり始めています。特定の人に違和感を感じている人は調べてみてください。

 

この世には悪魔のような自己正当化モンスター人間もいますが、叱ることに後ろめたさや後悔を感じている人はきっと優しい人です。だから、優しい自分に自信を持ってください。あなたはモラハラ人間には決してなれない、まともなちゃんとした人です。

 

 

4.自分を正当化したい欲望に向き合う

この本には、叱る側の色々な感情が書かれてあり、特に1つを取り上げるなら、「叱る側の被害意識」のことです。叱る人は

被害者は自分自身であり、「叱られる人」こそが加害者だ(中略)私は努力している。悪いのはこの人だ(104-105ページ)

という考えになりやすいと書かれています。「自分は正しいし、あるべき姿に向かって努力している課題解決者だ」という思いが根底にあります。人には誰でも「正常性バイアスがあり、気持ちを激しく揺さぶる出来事から心を守るために、「特別な悪いことは起きていない。いつものことだ」と思ってしまう心のしくみもあるのです。

 

いくつかの事例を読むことで、先入観を取り除き、過去に誰かを叱っていた時の自分が、どのような思いを持っていたのかを振り返るきっかけが生まれます。この固く信じている価値観をまずは意識することが最初の一歩です。

強く叱ることで誰かの行動をコントロールしていた人にとって、叱らないという方法は「正しいあるべき姿」が揺らぐ体験になるので、少し不安かもしれません。ですが、新しい方法がわかれば「叱り」や怒りや不機嫌で相手を支配する必要が無くなります。

 

 

 

5.叱る自分に自己嫌悪があって、モヤモヤしている人におすすめの本2冊

本屋には様々な種類の本があります。専門職向けであったり、スピリチュアル関連だったり、家庭向けだったり、思春期の学生向けだったりします。どうすれば、実践的に「叱る」と向き合えるのでしょうか?ネットの情報ではどうしても話が断片的になるので、一覧して必要な内容が書かれている本がおすすめです。

 

ここでオススメの本を2冊紹介します。一つは、すでに取り上げた『叱る依存が止まらない』です。叱ることのメカニズムを、一歩引いて全体像や心の動きを解説してくれた本です。

そして、これをより実践に結び付けるには、もう一つおすすめの本があります。最も即効性がありそうな本を1冊、厳選をして選ぶとすれば『あたらしい自分を生きるために』です。

アサーション」とは、自分も相手も、お互いの気持ちを尊重したコミュニケーションの方法を獲得するための実践的な方法です。「なぜ怒ってしまうのか」の根底にある心の動きを、わかりやすく説明してくれていています。読みやすくてスッと頭に入ってきます。私も読んでいて納得感を感じながら読み進めることができました。

 

あなたが行動を変えると、周りが驚いたり、反発したりして、新しい反応にお互いに戸惑うことがあります。逆に相手の反応が薄くて、何も変わらないじゃないか、と幻滅することもあるかもしれません。この本には、そのような時にも備えて心理士の先生らしい、変わりたい人への応援メッセージや励ましを多く書いてくれています。「私にもできそう」と感じながら読み進めることができます。

 

叱る依存が止まらない』で心のしくみを理解して、『あたらしい自分を生きるために』でその実践的な方法に取り組む、この方法が、叱ってしまうことに悩んでいる方にピッタリの進め方としておすすめです。

もちろん、本を読むのが苦手な方もいますので、その場合は心理士の先生と話をすると気持ちや進め方を整理することができます。オンラインカウンセリング「かもみーる」は、全員が心理の資格をもつプロの先生です。話がまとまっていなくても大丈夫です。心理士の先生は、まとまらない感情をあなたのペースに合わせて整理することを手伝ってくれる人です。身近な家族には知られずに相談することもできます。疲れ切ってしまった時には、一つの方法として活用してみてください。

かもみーる・オンラインカウンセリング相談

 

 

6.まとめ

心のはたらきを知れば、うまくいく関わり方が見つかるまではもうすぐです。楽観的に、気負い過ぎずに、期待を持って、本やオンラインカウンセリング相談を活用してみてくださいね。