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【投資本】No.020『日本株を動かす外国人投資家の思考法と投資戦略』テーマ型投資信託、セクター別投資、外国人保有比率の理解度を高めて利益につなげる1冊

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今日は9月の新刊の紹介です。日本株を動かす外国人投資家の考え方を知れる本です。

 

日本株全体の約6-7割が外国人投資家による売買だと言われています。この本で外国人投資家の考え方を知ることで、「巨大な資金を持つ外国人投資家の意思決定スタイルに合わせて、一緒の方向に動くことで利益を得られる」と期待を持つことができます。特に、選んだ銘柄をホールドする根拠を強められるオススメの1冊です。

 

 

1.著者紹介、難易度、投資スタイル

著者はみずほ証券に在籍しているストラテジストの菊地正俊(Kikuchi Masatoshi)氏です。

 

一見難しそうな本でしたが、読み進めてみると、意外と1章と2章は身近なとっつきやすい内容で、投資トレードに活用しやすいと感じられました。

 

個人投資家・個人トレーダーで、次の投資スタイルを重視している方にオススメできる1冊です。

  • ファンダメンタルズ分析
  • テーマ型投信(EV・働き方改革・AIなど)
  • 厳選したセクターへの投資

中身を読めば、銘柄選択の根拠に裏付けを与えてくれたり、ホールドする力が高まるなどのメリットがある、と考えられます。

 

 

2.外国人投資家に合わせた銘柄の選び方

この本では、投資の初心者から中級者の方にとって、一度知識として身に付ければ、この先長く考えて参考にできる知識が手に入ります。

 

中でも、私が注目した視点は次の通りです。

 

短期スイングトレードに役立つ視点

次の項目は、短期スイングトレードの銘柄選びに使えそうです。

 

外国人投資家からの視点で、

  1. 日本株売買の季節性
  2. 好む業種と買いたくなる業種、業種と外国人保有比率の関係性 精密/電機/不動産・金融機関・自動車/素材/金融/商社などのセクターに対する考え方
  3. 国際的な競争力を持つ投資テーマ
  4. 銘柄選別の方法

 

上記の"4"の銘柄選別については、日本企業と海外企業が比較されているという点が目を引きました。2022年の穀物価格の上昇継続時の例として、小麦向け農機を扱う米国企業のディアの上昇トレンドと、稲作向け農機が多い日本企業のクボタのボックス圏相場が引き合いに出されていました。

 

長期投資で役立つ視点

さらに、より長期的に影響する視点としては次のものがありました。

  1. 中期経営計画や持ち株会社に対する評価ポイント
  2. 外国人投資家は日本の環境政策に投資魅力を感じていないこと
  3. 日本株売買と海外経済指標との相関関係
  4. 岸田政権下の政策や、黒田日銀総裁への評価 ※黒田総裁が2023年4月には交代することについても書かれています。

 

 

 

3.NISAでS&P500に長期投資をしている方も納得:日米市場の規模格差

この本は、世界市場の中での日本市場、という視点を与えてくれます。

 

日本市場と海外市場の規模の違いは何度も説明されて、圧倒的に米国市場が大きいことが繰り返し説明されます。NISAで米国のS&P500等への長期積立投資を実践している投資家にとっては、数十年間の積立投資を続ける根拠を強めてくれます。客観的な根拠が強ければ強いほど、ホールドをする力も強くなりますね。

 

私としては、日本株が盛り上がって欲しいところですが、上昇拡大する市場に資金を置くことは鉄則なので米国市場への長期積立を続けています。米国個別株や中国株の分野にも、少しずつマイペースに関心を広げたいです。

 

 

4.まとめ

日本市場でファンダメンタル分析、テーマ型投資信託や厳選したセクターへの投資をしている個人の投資家やトレーダーにとっては、海外からの資金の動きを考える上で、参考にできるオススメの1冊です。

 

世界市場の中での日本市場」という視点で、外国人投資家から見た日本株への投資を考えることができます。

 

ぜひ、この本を利用して、「外国人保有比率」の見方や、「外国人投資家が好んで買いやすいセクター」を調べて、投資効果の高い銘柄を選ぶ参考にしてみてください。

 

 

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