このブログで、年間300冊のビジネス書のアウトプットをしていきます。(※期間:2024年12月28日~2025年12月27日)
5冊目は『仕事ができる 具体と抽象が、ビジネスを10割解決する』です。
1.著者の経歴
- 東京大学農学部緑地環境学専修 卒
- 株式会社日本教育政策研究所 代表取締役
2.ビジネススキル
2-1 スキル表
1位 | 心構え・マインド | ◎ |
2位 | 仕組み化 | ◎ |
3位 | チーム作り | ◎ |
→ | 会議術・ ファシリテーション |
○ |
得られるスキルは1位が「心構え・マインド」、2位が「仕組み化」です。3位が「チームづくり」です。
2-2 位置づけ・読み方
「じっくり理解する本」で「理論的・抽象的」な内容です。
読書は「まずは書かれていることを理解」して、「新しい着眼点を見つける」読み方がオススメです
3.内容
考察がとても鋭く、今までに無かった視点を与えてくれる1冊です!
具体と抽象
「組織内の上下関係」を現した一般的な組織ピラミッドはこうです。
この図を90度回転すると、「抽象と具体」で役割を分割する新しい視点が生まれます。
つまり、次のように考えることができます。
- 社長の役割は本質的な目的を役員や管理職に示すこと
- プレイヤーとしての一般社員の役割は、上司の指示を複数の手段を使って具体化すること
次の一文は解説の上手さにしびれました。
組織が階層構造になっている理由は、上の階層の人が下の階層の人に命令するためではない。考えるべき抽象度を、具体から抽象まで役割分担するためなのだ。(39ページ)
経営理念は中間システムによって具体化される
最近では管理職不要論やフラットな組織が注目を集めています。そうした風潮の中で、マネジメントの土台として「組織に管理職は必要!」とする一つの考え方を確認することができます。
いち従業員の立場としても「この忙しい日に、どうして経営理念の唱和を省略しないの?」という疑問へのアンサーの一つが書かれています。
これも、抽象的な経営理念と具体的な実務の関係性から一つの解答を出すことができます。
現場のプレイヤーたちは、良くも悪くも経営理念を見ながら行動することはない。現場のプレイヤーたちが見ているのは、営業部員であれば「営業方針」、編集部員であれば「編集方針」というような「中間システム」である。
経営理念は「営業方針」「ブランド戦略」「人事評価制度」などに具体化されて初めて実現される。
経営理念とは中間システムに具体化しない限り実現されない。
そして、経営理念が業務プロセスや評価基準に影響しているとして、
経営理念はまた中間システムに安全性を与える。
と説明されています。
4.私の考え方・良かった言葉
4-1 私の考え方
「ずっと欲しかった説明がここにあった」と感じました。
経営理念は良いことを言っていると感じると同時に、「実務では直接的に使っているようには感じない」と、ずっと疑問に思っていました。
この本の解説を読んで、手続きの手順や顧客満足度を高めるオペレーションそのものに、経営理念が浸透していると考えられるようになりました。
そして、今いる場所で
- 評価基準は何か?
- 誰に対して、成果の期待値コントロールをすればいいか?
を重視するようになりました。
4-2 良かった言葉
管理職のスタンスについて書かれた一文が特に良かったです。
マネージャーの全廃に成功した組織は歴史上存在しない。上司がいなかったら部下の教育は誰が行うのか?組織の失敗は誰がカバーするのか?部下同士の意見の対立は誰が仲裁するのか?やはりマネージャーは必要なのだ。しかしそれでも、マネージャーの理想はマネージャー自信がいなくとも仕事がすべてうまくまわることである。(80ページ)
5.関連記事の紹介
管理職がしていた仕事がどんどん降りてきて、忙しくなった時に読んで欲しい本を紹介しています。
このブログでは、仕事術のほかに、だれでも気軽にできる職業キャリアのつくり方を発信しています。