このブログで、年間300冊のビジネス書のアウトプットをしていきます。(※期間:2024年12月28日~2025年12月27日)

82冊目は『サービスを言語化する』です。
1.著者の経歴
- 大野加奈(Oono)氏
- 東京学芸大学教育学部卒業後、帝国ホテルに入社。
- 迎賓館での某国大統領夫人のアテンドにも携わる
- 現在は株式会ココテラ代表取締役
- 研修講師およびコンサルタント
2.ビジネススキル
獲得できるスキル
| 1 | 接客力 |
| 2 | 教育制度づくり |
| 3 | 心構え・マインド |
位置づけ・読み方
- スイスイ読める
- 理論的・抽象的な内容
- 実際の具体的な働き方を当てはめる読み方が合っている
3.内容
おもてなしを完全に言語化できない3つの壁
著者は、マニュアル化しきれない3つの要素を挙げています。
- 状況の変数が多い:お客様の気分、性格、季節や時間帯、サービスを提供する場所
- 身体性が伴う:言葉には曖昧さが伴う(やさしく、自然な笑顔で、丁寧になど)
- 言葉の限界:一側面を捉えることはできても、全体を同時には表現できない。分解して説明するか、比ゆ的に説明するかの選択を迫られる
言語化したテキストの役割
すべてを言語化に頼るのではなく、機能を限定する考え方が示されています。
言語化したテキストには次の機能や役割があります。
- 学習の入り口
- 抽象的な共通言語が推察を促進する:考える方向性を示すことで、自分なりの解釈と実践を通じた深い理解に導く
- 機械的学習を支える:長期間にわたる技能習得の過程で、方向性を見失わないための羅針盤として機能する
実際に現わす行動を分類する
- 観察:五感を使う
- 仮説:どのようなサービスが最適化を考える
- 寄り添い:言葉にされないニーズや希望を汲み取る
- 行動:迅速かつ的確に動く
4.私の感性
良かった言葉
指導は何センチや何度といった数値よりも、「どのような印象を与えるか」という点を重視している。
ホスピタリティ(=おもてなし)とは、空間設計、施設のメンテナンス、ルームメイク、そして身体性を伴う接客(表情・声のトーン・立ち振る舞い)
私の考え方
この本を読んでいると、完璧なマニュアルづくりは不可能ということが分かります。
接客接遇のスキルを引き上げるためには、ある一定の範囲までは言語化されたテキストが必要です。そこから上に能力を積み上げるためには、「言われたことをしていれば、まあいいよね」という態度を超えて、自分自身の頭で相手の事を考えて+αの結果を届ける態度が求められると思います。
私は、HSP(刺激に敏感な人)は、案外toCの接客サービス分野が向いていると思っています。感受性の高さは高性能のレーダーのように機能して、相手の満足度を高める行動ができると思います。HSPの感受性に行動力が追加されればキャリアを重ねる上ではとても強力な武器になります。
また、サービス提供の「速さ」については、AIや機械の無機物の速さと、人間の速さは、お客様は意外と区分けしていると考えています。人間のできる行動スピードを追い求めていくことで、人が実践するホスピタリティの効果を関わる相手に届けられると考えています。
5.関連記事の紹介
私がちょっと酷い接客を受けた時に、深く考えたことです。
機械とAIは「丁寧」を標準装備しています。人間が「丁寧」を実践するときは、場面を絞って実践することが大切と書いている記事です。
以上、『サービスを言語化する』の紹介でした。
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