このブログで、年間300冊のビジネス書のアウトプットをしていきます。(※期間:2024年12月28日~2025年12月27日)
61冊目は『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか』です。
1.著者の経歴
- 今井むつみ(Imai Mutsumi)氏
- 慶応義塾大学環境情報学部教授
- 認知科学、言語心理学、発達心理学が専門
2.ビジネススキル
2-1 スキル表
1位 | 心構え・マインド | ◎ |
2位 | 仕組み化 | ◎ |
得られるスキルは1位が「心構え・マインド」、2位が「仕組み化」です。
2-2 位置づけ・読み方
「スイスイ読める本」で「理論的・抽象的」な内容です。
読書は「スピード感を大事」に、「必要なところを抜き出す」読み方がオススメです。
3.内容
認知バイアス
本書は「認知バイアス」を扱ったビジネス書です。
1つ1つの細かな認知バイアスの説明は他の本に譲っていますが、私たちが職場で無意識にしてしまいがちな「相手はきっと~だろう」という先入観を再確認させてくれる本です。
- 視野に入った=見えているではない。
- 同じものを見たり聞いたりしても、誰もが同じような理解をするわけではない。
- 「言われたが理解できないこと」も起こる。
と説明されます。認知バイアスがあることで起こる身近な具体例を確認することができます。
多様性と認知バイアス
また、多様性については、「相対主義」の認知バイアスがあると説明されます。これは、「多様性の中でどれが合理的かを考えることを放棄すること」と説明されます。
4.良かった言葉・私の考え方
4-1 良かった言葉
それぞれがどんな視点からその意見を言っているのか考え、聞きとり、それぞれの懸念を払拭していくことです。
多様性に立ち止まらずに前に進むためには、多様性に優先度をつける決断が必要と思います。「かなり大事」と「ちょっと大事」の区別判断をすることで、物事を動かす熱量が生まれます。
4-2 私の考え方
情報共有に課題がある組織では「だろう、みたい、らしい」の語尾の会話が増えると感じています。それは判断ではありません。
- 上司や先輩に質問をすればすぐにわかることを、話しかけやすい同僚に質問している。
- 小規模な組織で他部門からの要望やお願いを「クレーム」と呼ぶ。
- 誰の要望から始まった仕事なのかが分からないタスクが走っている。
などが起こります。
それぞれの人が持っている認知や思考の枠組みは元々あるものなので、認知バイアスがあることを知っていれば頭に思い浮かんだ直感的な思いや考えに対して「本当か?」、「それだけか?」と振り返りができます。
ただし、実際の人の集団の動きは認知バイアスだけで説明することはなかなか難しいと感じます。
認知バイアスを知っていても、集団心理(群衆心理)を止めることは難しいです。認知バイアスは、人が集団になった時の心理的なプロセスを説明する「組織心理学」と合わせて読むと実際の行動や対策につなげやすいと考えています。その意味で『武器としての組織心理学』はおすすめです。
5.関連記事の紹介
以上、『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?』の紹介でした。
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