このブログでは、仕事術に関わる記事を投稿しています。

私が見ているyoutube配信に「執行草舟(しぎょうそうしゅう)チャンネル」があります。
- 菌を扱う会社の代表
- 葉隠・武士道の思想研究をしている人
ここ最近の動画に「個性」をテーマに扱った動画があります。
- 学校の制服が個性的
- 日本の着物は美しい
「「個性」は個人に帰着するものではない。民族や伝統に帰着している」という趣旨の話です。
「1人」単位よりも「1つの集団」が個性を現わすという考え方は、私にとって新しい視点です。
私の感性では、大きなシステムや権力のあるものに自分を同一化させることは、全体主義のにおいがして少し危ういと感じます。これを意図的に利用したのが江戸時代に自主的な相互監視を促した五人組制度で、行き過ぎた同一化の結果が特攻隊と考えています。
ただ、体制側や権力側からの理不尽な抑圧が無い状態を出発点に考えることも大事だと考えています。
一から「良い集団」を作ろうとしたときに、一人ひとり違う人たちが集まった状態で「いいサービス」を活かすためには「目の前の、この人のために」という目的意識が大事だと考えています。
「同じ制服を着て、共通する目的を目指す姿は美しく見える」というのはよくあります。
いいものを提供するために、いいものを個性の中に取り入れる。そのエネルギーの源泉はトップが心血を注いで作った「経営理念」の場合もあります。
メンバークラスでは、その小集団に入った後に
- 行動の基準
- 考えるプロセス
を実践を通じて取り込むことが、経営者が目指している特定の相手へのサービスの実行や、お客様側から見えるきれいな所作につながると思っています。
「この人のために」という思想のベースがあればこそ、「何をプロセスとして引き継ぐか」や「持続的に働き続けるために何を摂り入れるか」に個人レベルでの判断が生まれます。
たとえば、
- 家族のために健康に気を遣う
- お客様のために、夏場の通勤後の体臭ケアに気を遣う
- 仕事のパフォーマンスを高めるために朝一杯のコーヒーを飲む
- 先輩のトークや口調のいいところを真似してみる
など、こうした行動は相手がいるからこそ生まれます。
決して「売る相手は誰でもいい」や「客が来ない方が楽だからいい」や「サービス相手の悩みを解消するよりも、助成金申請書をミスなく通すことが優先」という思想からは生まれません。しかし、そう社員に感じさせてしまうほど不自由な職業は世の中にあります。
相手がいればこそ、取り入れる思想・必要な休息・食事・睡眠に気を遣えます。会社=建物のこと=冷暖房が効いてコーヒーも飲める快適なコワーキングスペースと考えるなら、「自分たちが快適だから今のままで良い」という人たちの集団となり、お金を払ってくれる相手の姿はどんどん透明化して、同僚とのつながりは消え失せて、誰のための仕事なのかがよく分からなくなってきます。
仕事の意義に迷わないために自分自身に投げかける言葉は、
- 有形無形ともに、今日は良いものを相手に届けたか?
です。
執行草舟先生は、人当たりや感性をつくるのは、「いい言葉、いい食事・いい芸術」をとることだと動画のなかでたびたび言っています。私はこれに賛成で、定期的に社会と関わり、心地いいと感じるサービスを受けることで提供するサービスの水準も高められると考えています。
チーム作りはとても難しいことを前提とした上で、
- 「誰のために、何を届けるか」という共通目標を設定して、
- そのために必要なプロセスを集団レベル・個人レベルで実践して、
- 一人ひとり違う感性のメンバーが、共通して実践している行動を増やすことで、
個人の判断に基づいて選び抜いた伝統が反映される「いい組織」や「いい仕事」を生み出せると考えました。