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【AIに奪われない仕事4】高収入の医療職と介護職は、管理職罰ゲーム化を回避する

このブログでは、転職と再就職をする人のための考え方を発信しています。

生成AIに代替されない仕事,医療と掃除と娯楽のニーズ

 

AIに代替されない仕事は「掃除」であり、「人が快適な空間をひとり占めできるようにサポートする仕事」と広げて考えると、ニーズが先細りしない業種の一つに医療介護の職業が上がります。

 

今日のテーマは「医療業界と介護業界で高収入を得るためには、本当は不要な過剰サービスを提供して売上を増やす必要がある」という話です。

 

 

1.移動する活力を奪えば儲かる:「赤字の急性期病院」と「黒字のナーシングホーム」

今の日本では、救急車で人が最初に運ばれる急性期病院の多くが赤字経営です。保健医療サービスの売り上げは国が診療報酬として決めていて、入院をして14日を過ぎると同じサービスを提供していても売上が少なくなります。そのため、病院経営の視点では人をどんどん入れ替える必要性に迫られます。

 

一方で、看護師が常駐しているナーシングホームや、精神医療訪問看護をしている事業所は黒字経営で儲かっているところが多いです。利用している人が亡くなるまでは、毎日売上につながるサービスを積極的に提供でき、毎月の売り上げは安定しています。

 

国の医療制度自体が、移動する活力を回復させるよりも、移動する活力を根こそぎ奪う方が儲かることを示しているように私は感じています。

 

サービスを利用している人がどんどん元気になって、施設から出ていかれたら売上が減ります。そのため、最小限の医療介護のサービスは提供しつつ、「足腰の機能を回復させる」よりも「毎日同じような生活を施設内でしてもらって、生活能力の下がり方を穏やかにする」ことが重視されます。

 

 

 

2.過剰な医療サービス施設の「管理職罰ゲーム」

医療と介護の売り上げは、国が決めています。「この仕事はこの料金」という設定が診療報酬です。

 

2024年には、パーキンソン病や難病の人が生活をする専門施設で過剰な医療が行われているという疑惑が出ています。

  • 夜間、寝ている人の安静を5分確認しただけで30分の診療報酬を請求。
  • 看護師1人で十分に処置ができる人に、売上が高くなるので看護師2人で訪問する。
  • 1日3回の看護師訪問+1週間3回の精神看護訪問で、必要性に関係なくとれるだけ最大限の診療報酬を請求する。

たいていは「売り上げを最大限に100%確実にとれ」と経営者や役員がキツく命令していると推測しています。そして介護士あがりの施設長が中途採用をした看護師たちに役員からの指示をそのまま降ろして、反発されたり無視されたりとしてキツい立場にいることが推測されます。

 

実質的には不必要で過剰な医療介護のサービスを、売上のために意義が乏しいと感じながらも部下に訪問するように行動を指示することを30年以上続けると、感性が鈍麻すると思います。

 

医療と介護に社会的な意義を感じて転職して、一生懸命に仕事をして管理職に昇進したとたんに、これまで信じてきた「相手のためになっている・長年いれば給料で報われる」という意義が奪われることも起こりえます。

  • 介護士管理職よりも、夜勤専属の役職なし介護士の方が給料が高い。
  • 10年の介護士よりも、転職してきた看護師の方が給料が高い
  • 看護師チームが介護士に協力しない。

すべて管理職に不満が向けられて、社長や役員へが原因と考える人は少ないです。すべて管理職のせい。売上を増やすために訪問看護を導入し始める施設で起きやすい不満です。

 

 

3.過剰医療サービスに乗っかるか?

過剰医療サービスは、現場クラスで指示された仕事をいち従業員としてしているうちはあまり問題としては意識されませんが、管理職に上がるかどうかといった場面では突然キャリア上の問題として浮かびあがります。

 

人が快適な空間をひとり占めできるようにサポートする仕事」を突き詰めた結果として、「人口が多い65歳以上の高齢者に、過剰な医療サービスを提供して肉体的に生かしつつ、脳内快楽・嗜好品・薬に依存にさせて売上を増やす」仕事を続けられるかを考えておくことは大事だと考えています。

 

長く続ければ続けるほど、社長や役員の思想のコピー人間として、過剰サービスを指示して現場の反発も受ける管理職罰ゲームの世界が待ち構えています。

  • 移動する活力を与える仕事か?
  • 活力を奪って弱らせて、亡くなるまで囲い込んで安定収入を得る仕事か?

この考えにはどこかで折り合いをつける必要があると思っています。

 

医学的な必要性を重視する人には、売上重視の過剰医療をしているけれども高収入の会社に関わるときは、短時間勤務が良いと考えています。

 

管理職やマネージャーには目指すといいこともあることも補足しておきます。

 

4.専業フルコミットから複業へ

医療業界の中の、さらに儲かる領域であっても、自費診療ではない限りはその売上は税金から出ています。総人口が減少している日本で、国の財政や補助金を当てにしたビジネスはいつか先細りしていくと推測できます。

 

ただ、0にはならず安定的な収入先としては残り続けると考えています。

 

そこで、1つの病院や介護施設での業務にフルコミットをするよりも、

  • 複数の病院や施設で短時間ずつ勤務する
  • 過剰サービスを受け止めて、儲かっている間の期間限定で過剰サービスに乗っかる
  • 医療介護以外の業種で複業をする

などの選択肢が良いと考えています。

 

税金を財源にした高収入の事業は、過剰看護の不正請求問題のように管理職が責任を負わされる場合もあります。高収入の医療介護の仕事は、責任の薄い一人の従業員として、数年の期間限定で乗っかるという意識が必要だと考えています。