学びキャッチアップ

(1)専門職スキルで再就職&転職 (2)投資とトレードを本から学ぶ (3)大人のいじめの対処法 (4)オーディオドラマ&日本の古典の魅力を紹介

【仕事ができる人の仕事術・ビジネス書300】FRICTION 職場の問題を解決する摩擦の力(感想レビュー)

このブログで、年間300冊のビジネス書のアウトプットをしていきます。(※期間:2024年12月28日~2025年12月27日)

FRICTION,職場の問題を解決する摩擦の力,書評感想レビュー,ビジネススキルアップ

66冊目は『FRICTION 職場の問題を解決する摩擦の力』です。

 

1.著者の経歴

  • ロバート・I・サットン
  • ハギー・ラオ
  • どちらも組織心理学者

 

2.ビジネススキル

2-1 スキル表

1位 心構え・マインド
2位 健康促進・メンタルケア
3位 チームづくり

得られるスキルは1位が「心構え・マインド」、2位が「健康促進・メンタルケア、3位が「チームづくり」です。

 

2-2 位置づけ・読み方

ビジネススキルマップ、ビジネス書

じっくりと理解する」本で、「理論的・抽象的」な内容です。読書は「まずは書かれていることを理解」して、「新しい着眼点を見つける」読み方がオススメです

 

 

3.内容

A 上司から部下への支援のピラミッド

著者は「有害な摩擦を取り除き、有益な摩擦を取り入れるにはどするべきかを把握する能力」が大事だと書きます。

 

行動する人を「摩擦請負人(フリクション・フィクサー)」と名付けて、主体的に行動することを重要視しています。

 

また、「支援の5段階のピラミッド」を示し、下の層から、

  1. リフレーミング:困難な体験や不安をポジティブな別の視点で捉え直すことを教える。言葉を置き換えて、不満・無力感・敗北感を生み出すことなく回避する。
  2. 誘導:目標を見つけ出せるように導く
  3. 保護:他の人のかわりに摩擦を吸収したり方向を逸らしたりする。
  4. 局所的なデザインと修復
  5. システム全体のデザインを修復

を設定しています。

 

B 摩擦が過剰に増える態度

権力を振りかざす

ここは私の組織だ。それに、日々詳細を確認して過ごしているのだから、ここで起きている重要なことはすべて把握できているはずだ(p.145)

 

聞いているフリ

私が発言したり、議論したりしたことは何の意味ももたなかった。

 

自己奉仕バイアス

自分が増やすものについては理に適っていて不可欠だと考える。一方で、他人が増やすもののことは目障りで不必要とみなす(p.176)

 

C ヒエラルキーは必要

フラットで横並び、対等な関係で仕事を進めるスタイルの「ホラクラシー」を批判してます。「その言葉が何を現わしているのか分かりにくい」、「解釈がメンバーそれぞれでバラバラ」という理由があるからです。

ヒエラルキーは必然だが有効

ヒエラルキーは不可避で有効(p.172)

 

 

4.良かった言葉・私の考え方

4-1 良かった言葉

ヒエラルキーは不可避で有効(p.172)

会社組織の上下関係のある仕事のスタイルの有効性を確認できたことが良かったです。

 

聞いているふり

すでに決まっている解答に誘導してくる1on1面談を私が嫌に感じる理由を見つけられました。

 

4-2 私の考え方

自分を守りながら全体最適を目指す態度

この本を読んで良かったことは、全体最適を目指す行動が元々から難しい行動だと確認できたことと、「心身の健康を損なわない程度に全体最適をあとちょっと目指してみてもいいかもしれない」と感じられたことです。

 

健康を犠牲にせずに、組織の全体最適を目標にしているところが良いと感じます。

 

分類するだけのマズロー、良心が前提の著者

マズローの5段階欲求説と支援のピラミッド

著者が最下層に設定している「リフレーミング」は、相手をいたわる態度が前提です。

 

これとは逆に、権力を使える立場の人がどれほどゲスい自己実現をしている人であっても、マズローは「完成されてよくできた人間」と認めている気がして何だか嫌です。

  • 新入社員に恥をかかせることを楽しんだり、
  • 少数派の趣味を小馬鹿にしたり、

誰かにとっての自己実現が、別のメンバーの安全欲求や生理的欲求を脅かす」ことがごく日常的に行われていると感じるからです。

 

「自己実現者の座席は少ない」とでも言うようなマズローの説は、強烈なトップダウンマネジメントの全盛期が過ぎた今では役目を終えたと感じています。ハラスメントが禁止されて、対話を重視する今の時代にはもう合わなくなっていると感じます。

 

老人のフリをする方が得

私が最近感じていることは、何もかもが「老いた人のフリをすることが得」という感性をもつことが制度の最適解だということです。

  • 減点主義なら動かない方が得、何も挑戦しない人の方が組織に残れるメリットがある。
  • 退職金の金額、勤続年数と組織内での権力

 

5.関連記事の紹介

この本で著者が批判したフラットな関係性の働き方である「ホラクラシー」は、こちらの記事でとり上げました。今回の『FRICTION』を読んで、目指すスタイルではないという考えがまとまってきました。

経営者の身勝手な自己実現に搾取されるとどうなるのか、人がどのように弱って抵抗できなくなっていくのかは、こちらの記事で書いています。

 

以上、『FRICTION 職場の問題を解決する摩擦の力の紹介でした。

 

このブログでは、仕事術のほかに、だれでも気軽にできる職業キャリアのつくり方を発信しています。