このブログでは、ジョブ型専門職(スペシャリスト)の転職と再就職に役立つ情報を発信しています。
最近では「支援的なリーダーシップ」をとる管理職が現れています。「お前はどうしたいの?」と質問をして、部下に方針を立てさせる方法です。働く社員の側も、専門性を身に付けてスペシャリストを目指す「ジョブ型」への関心を高める人が増えています。
こうして何が起こるかというと、これまで管理職がしていた役割が少しずつ「役職が付いていない一般社員」に移ります。どんどん業務が下の社員に降りて行った結果、組織のメンバー同士で責任や業務量にどんどん偏りが生じてきます。負担量が他の人よりも明らかに多くて「管理職じゃないのに!」と叫びたくなっている人も多いはずです。
ぜひ次の本を読んでみてください。実は多くの職場で同じようなことが起きています。
1.『罰ゲーム化する管理職』
管理職の業務がどんどん降りてきている状況で、「なぜか理由は分からないけれども自分が管理職の仕事の受け皿になっている」と感じる人は多いはずです。管理職がぜいぜいと息を切らしながら目の下にクマを作っている様子を見ていると「管理職なんてなりたくない(!)」と思っても不思議ではありません。
管理職には管理職なりの事情があります。この本で、日本各地の管理職が消耗している理由がハッキリと分かります。例えば次のような現状です。
- メンバーには残業させられないので、誰も手を付けていない仕事や雑用を管理職が巻き取っている。もちろん残業代は出ない。
- あらゆる雑務の巻き取り役として部署のメンバーをフォローする。
- 管理職1人だけが残業をしているので、新しいスキルを勉強する時間もとれず、転職市場価値も高められそうにない。
わりと悲惨な状況が分かってきます。
専門職(スペシャリスト)の立場で管理職を目指す道があるなら、一度読んでみてください。将来のキャリアづくりの方針を考えることができます!
2.『なぜ部下は不安で不満で無関心なのか』
あなたが業務をたくさん持っているなら、少なくとも他の社員よりかは着手スピードと作業スピードが早いという証明です。きっと他の人よりも仕事への熱量があるとみられています。
高評価を受けている理由としては、
- 仕事の着手スピードが速い。
- 他のメンバーよりも報告連絡相談が2~3倍多い。
- 全体を見てフォローができる。
などが考えられます。
分単位のスケジュールでキビキビと動く人がいる一方で、「給料が変わらないのに何でそこまで働くの?」と冷めた目でみる人もいます。管理職へのイライラがあるなら、もしかするとそれと同じくらい、同僚や部下に対しても不満を感じていませんか?
この本には、無関心社員の存在が書かれています。
無関心社員が後輩を育てていくので無関心社員の連鎖が止まらなくなる可能性があるのです。(中略)分担が曖昧な仕事はすべてマネージャーが拾わなければなりませんし、社員同士が調整すれば済む問題もマネージャーが調整する羽目になります。
「管理職じゃないのに!」と叫びたくなる状況には、必ずと言っていいほどこうした無関心社員が職場に複数人いるはずです。それは管理職も同じように問題意識を持っています。
管理職の置かれた状況と合わせて、無関心社員の特徴を知ることも、未来の動き方の戦略を立てるためには大事です。もしかすると、タスク処理をする上で上司と共闘できる関係をつくれるかもしれませんよ。
最近では厳しく指導する管理職は少なくなっていると言われます。部下から「パワハラを受けました」と申告されるリスクが高まっているからです。部下にフィードバックをする業務が、今や上司にとってはリスクの一つです。
そんな状況で「多少の手痛い指摘をしてもへこたれない」と上司に認定された人は優位性を持てます。上司と一緒に、物事を前にグイグイ進められる人の価値はきっと高まりますよ!
あなたが無関心社員の同類と見なされるのは確実に損です。こちらの本で、ぜひとも反面教師としての「無関心社員」の特徴を知ってみてください。