このブログでは、毎日を心穏やかに過ごすために、悪意のある人を遠ざける守りの技術を紹介しています。「安心感は自信になる」をモットーに、再就職や転職活動をする前の「準備」をサポートします。
今日から2回に分けて、ブラック企業の上司や経営者が、社員を洗脳・マインドコントロールするテクニックを解説します。
相手の戦略を知っているだけで、毎日削られる疲労度が変わります。ぜひ最後まで読んで頂いて、体力と気力を奪う仕組みから身を守りましょう。
1.洗脳の本質は「抵抗する力を奪って操ること」
支配はママ友関係でも起こる
洗脳とマインドコントロールの本質は、相手を支配することです。
テロリストなどの過激な団体だけではなく、会社やスポーツチーム、進学クラスやママ友関係でも使われます。上手く使えばモチベーションを高めたり、団結力を強くできるのですが、悪用をすれば人を「苦痛を自ら選んで耐え抜く」状況にはめ込んでしまいます。
複雑で気付きにくい
マインドコントロールは言葉や態度で相手を支配するので、周りが気付きにくいということも特徴です。身体拘束や暴力を使う洗脳とは違い、「それが普通の日常風景のように見える」というのが特徴です。
マインド・コントロールは、私たちの社会において、私たち自身が気付きにくいところで実践される。(中略)「異なる社会」へと、マインド・コントロールによって知らぬままに連れ去ってしまう。(p235,『マインドコントロールとは何か』1995紀伊國屋書店)
今日は、特に会社で使われる方法を紹介します。
2.会社のマインドコントロールの方法
長時間拘束して疲れさせる
外部と隔離した状態を作り出すのはマインドコントロールの基本中の基本です。
暴力を使わずに拘束するには「休息時間」を操ることです。会社で使われる最もシンプルな方法は、「休むリズムを狂わせる」ことです。
- 長時間労働や変則勤務で、睡眠リズムを不規則にさせて体力を奪う
- 目の前に次々とやってくる事だけに対応させて、先の見通しを奪う。
- 休みの日にも、グループチャットで連絡を送る。
心身が削られると、家族や趣味仲間と関わる時間が減っていきます。
「ただ忙しいだけ」なら、私たちは抵抗できます。ですので、追加で、「気を使わせて、気力を削る」という戦略がとられるのです。相手にまともに考えさせないためには、絶えず相手に刺激を与えて「ビジー(Busy)」な状態にさせることが効果的です。
不機嫌で気力を奪う
心理的にビジー(Busy)にさせるには、「不機嫌」がよく使われます。
- 相手を刺激しない言葉遣いを、追加でいろいろ考えさせる。
- 帰ってくる反応を予測しづらくして、追加でいろいろ考えさせる。
- 下手すると罰を受けるかも、と思わせて、追加でいろいろ考えさせる。
どれも「相手が、自分から進んで勝手に気を使っている」と後から言える状況を作れます。不機嫌を使うほど、労力なしに相手がぺこぺこしてくれるので、やる方は快感でヤミツキになりますよ。実際は「幻の成功体験」なのですが……
もしも、あなたの周りでいつも怒っている人がいるなら、こちらの本でその不思議の理由が解決しますよ。
罪悪感や劣等感があると歯向かえない
「罪悪感や劣等感を押し付ける意図」があるかどうかで、支配しようとする悪意を見分けられます。
タチの悪い人は、昔のミスを「わざわざ」持ち出したりもします。「あれっ?このタイミングで言う?」と感じる人がいる時は要注意かもしれません。
自分のミス、しかもよくわからないミスのせいで入社早々、会社に損害を負わせたという負い目を持たせる。これで新人は、もう会社では、まず経営者の俺の顔を窺って仕事をするようになる。そうなればこっちのもんです。65ページ,『ブラック企業の本音』,扶桑社新書
3.耐え続けるなら知識は必要
ハラスメントがある会社でも不思議に続くのは、ターゲットになる人が限定されていたり、被害を受けている最中でもたまに優しくされる体験があるために、脳が混乱するからかもしれません。
- 自分は被害を受けないように立ち回れるから大丈夫。
- 残業中、夜の22時にくれたコーヒーとチョコレートの差し入れが忘れられない。
- お世話になった指導者を裏切って、辞めるなんてできない。
- 5月、もうすぐボーナスが出るから。10月、もうすぐボーナスが出るから。
あと1週間は、あと1か月は、あと1年は……と続けるうちに、犠牲者が変わって気楽になったことで、居心地が良くなるのかもしれません。
ですが、もしも現在進行形でハラスメントを受けているなら、「対象が別の人に移るまで耐え続けられる」という戦略をとることは危険です。気力と体力が限界になる前に離れないと、動けなくなってしまうこともあります。
4.人を動けなくするテクニックはまだまだある!
さて、次の記事では、人を動けなくする洗脳テクニックをさらに紹介します。
- 「怒鳴りつけて、顔色をうかがうようになった事を確認したら、優しく接する」を繰り返す。
- なぜなぜ分析を使って個人攻撃。
- 理想のスーパービジネスパーソンと比較する。
などのエグい戦略です。