働くなら人間関係が良い職場で、できるだけ消耗せずに給料をもらいたい。
それは誰もが思うことではないでしょうか?
人と接する時間で言うと、お客さんよりも、同じ組織で働く同僚や上司・後輩の方がはるかに長い時間を一緒に過ごします。多くの人が真に気を遣っているのは、お客さんよりも同僚達の方だと思います。
同僚と個別に契約を結んでいるわけではないのに、なんとなくそういうものだから、という雰囲気から、「契約外のことは、多数決や成り行きで決めていこう」と、そんな掛け声がかけられます。
組織でのことは、
- 契約で取り交わしたこと
- 契約ではないけれど雰囲気で決まってきたこと
に分かれます。
そして、中途入社や新卒入社をした時には、契約書には書いていない「暗黙のルール」を探る必要が出てきます。
- 上司よりも遅くに帰ることはありえない(契約外)
- 同僚と仲良くしよう(契約外)
- 同僚と感じよく挨拶しよう契約外)
毎日飲みの誘いを断らないことが「常識」の集団があり、始業の30分前に掃除をすることが「常識」の集団があります。残業をしないことが「常識」の集団もあります。
働き方や、働く人の特性が多様化してくる社会で、給料や休日以外のことを、個人のモラルに任せていて、これからもちゃんと回り続けるのでしょうか?誰かが我慢していたり、気を遣っていたり、一方的な加害-被害の関係が放置されてしていないでしょうか?
- 掃除をする人がいつも決まっている。
- カップ麺の食べ残しが放置されている。
- いつも誰かの悪い噂が流れている。
- いじめられ役がコロコロと入れ替わる。
- ワンマン経営者の怒鳴り声に社員が慣れきっている。
- 昼食は5分で掻きこんで食べるのが普通。
- 新人は色付きの防寒着を着たらダメ。無地の薄いグレーならOK。
など。
会社と契約したのであって、課長や部長に100%従うことを契約をしたわけではないですし、新入社員に丁寧に教育をすることを契約した訳ではありません。そもそも、社員全員が、総当たり式に契約を結ぶことが現実的ではない以上、そこにいる人達の考えを結びつけるものは何でしょうか?
- 学校教育で学んだ道徳
- 経営理念
- 社是
- 社内教育
- 芸術や文化活動で得た感性
ひょっとすると、今いる組織の「常識」とは、限られた人がつくりあげる、共同幻想で、夢まぼろしかもしれません。
だから、書面に残していない以上は、
「感じの良い態度は、契約外です」
同僚相手にそうやって態度に現す人が現れるのは、そう遠くない未来のことだと思っています。
そこに、「モラル」とか「経営理念」とか「社是」とか「社内教育」は、どこまで太刀打ちできるのでしょうか?
- モラルを育てる力
- モラルを育てるシステム
- モラルを現しやすくするシステム
に注目です。
さて、
- 宴会での一発芸
- 早出をしてやる掃除
- 愛想のよさを求めること
それ、契約書に書いてありました?
『モラルを育む理想の力』