ラジオ番組『アナウンサー百年百話』で「二十の扉」という昔の放送を聞きました。1952年~1954年にラジオで放送されたクイズ番組で、動物・鉱物・植物の3つのテーマから答えを1つ決めて、解答者は司会者に20個まで質問をして答えを探し当てるゲームです。
「スポーツに関係ある?」
「人間ですか?」
「職業?」
などと交代で質問をしていき、司会者は「はい、いいえ」で答えていきます。正解は「野球場のアナウンスをする人」などと最後に明かされます。当時は大人気番組だったようです。
今も続くオーディオドラマ・FMシアターの番組で放送された『ラヂオ』の中でも、昭和の小学生の子どもたちが似たゲームをしているシーンがありました。『ラヂオ』は阿久悠の小説を原作にしていて、私はこのラジオドラマで『向う三軒両隣』や『鐘のなる丘』を知りました。
私は当時は生まれていないので、もちろんじ~んとした懐かしさは感じないのですが、ひとつのラジオドラマで知ったことが別の作品の中に出て来たときの、これまでに出会った作品同士がつながる瞬間の感覚がとても好きです。
昔はラジオドラマと呼ばれた放送も、今はインターネットで聴く人が増えてオーディオドラマと名前を変えて広まっています。知る人ぞ知る名作もたくさんあり、70歳や80歳になっても飽きることなく聞き続けられるだろうお気に入りの作品の録音ストックが増えていくことも楽しみの一つです。
「二十の扉」が放送されたのは1952年頃なので、当時10歳の時に聞いていた人がいるとすれば、今生きている人で80代前半になります。昔の出来事を話すのが好きな人も大勢いるので、介護レクリエーションや認知症の方向けの回想法(≒昔話を話してもらうことなど)のテーマにできると思っています。
戦後復興を支えたバラエティ番組 正解にたどり着けるか 「二十の扉」 - アナウンサー百年百話 - NHK