このブログでは、水曜日に勉強法をテーマにして記事を投稿しています。
今日は数学Ⅰと数学Ⅱの学習教材の選び方の話です。
数学が本当に嫌で嫌で仕方なくて、勉強をすること自体が憎くて嫌いな人にとって残酷な話なのですが、「数学がとことん苦手という人のための、高校数学での数学Ⅰと数学Ⅱの効果的な練習ができる問題集はほとんどありません。」
ですが安心してください。
「すこしでも頑張れるなら1種類だけある」という話をします。
「数学Ⅰと数学Ⅱが苦手、でも頑張りたい」という人に点をとって欲しいので、点を取るステップの解説と合わせて、厳選したオススメの問題集1冊を紹介しますね。
- 1.数学参考書の全体像
- 2.数学が苦手な3つの理由
- 3.「わかりやすい」系統の問題集も反復練習には不向き
- 4.数Ⅰ数Ⅱが苦手な人へのおすすめ問題集
- 5.数学の「効率の良い勉強法」と「効率の悪い勉強法」
1.数学参考書の全体像
1-1 大型書店でリサーチした結果
私は2024年の11月に超大型書店に行って、棚に並べられた高校数学の本を端から端まですべて目を通しました。
そこから、
- 数学がとことん苦手な人に向いている本はあるのか?
- 高校数学の参考書と問題集の傾向の全体像
が分かりました!
前提知識として、大きく分けて受験参考書や定期テスト対策の本を出版しているのは、出版社と大手予備校の2種類です。そして、それぞれのシリーズごとに難易度が違う参考書&問題集が出ています。
それでは、特徴を詳しく見ていきましょう。
1-2 大手予備校の参考書問題集はどう?
「数学が苦手」ということを前提にすると、大手予備校の教材は難易度がどれも高すぎます。
大手予備校の本を選ぶ人の前提として「そこそこの点をとれている人が、さらにレベルアップをするための教材」なので基礎はさらっと軽く流されていきます。数学がものすごく苦手な人は絶対に手を出さないように気を付けてください。
1-3 出版社のレベル別参考書&問題集はどう?
では、出版社が出している参考書の中に、本当に高校数学が苦手で嫌で嫌で仕方がない人に向いている本があるかというと、私の体感ではゼロです。「ほぼゼロ」ではなく「ゼロ」です。
ここまでストレートに書くのは、数学は問題を解く反復練習が何よりも大事だからです。私が授業で推奨する1パターン10回の反復練習ができる問題集は売られていませんでした。
数学が苦手な人に私が数Ⅰ数Ⅱを教える過程では、自作の反復練習問題を作って配布しています。「数学Ⅰと数学Ⅱが苦手だけれど頑張りたい」人には点をとって欲しいので、頭の中での理解よりも、途中計算や答えを書く反復練習を重視しています。
それができるようになった後に、厳選した市販の問題集1冊に移ってもらっています。
「あれ、じゃあ、数学が苦手な私は問題集を買っても全く意味が無いの?」と感じるかもしれませんが、そうではありません。すぐに問題集を選ぼうとする前に、まずは「数学で点をとるためにはどんなステップが必要か?」を整理してみましょう。
2.数学が苦手な3つの理由
数学Ⅰも数学Ⅱも、問題を解くために必要な要素は次の3つです。
- 公式を使った解き方を理解して、
- 問題を見て、最適な解法パターンを選んで、
- 計算をスラスラとする。
実はそれぞれに練習方法が違うのです。1は参考書、2と3は問題集を使います。
さっそく詳しく見ていきます。
2-1 解き方を理解する
最初は多くの人が解き方を覚えることから勉強を始めます。参考書は好みに応じてどれを選んでも大丈夫です。数学が苦手という人は、素直に「わかりやすい・わかりやすく」系の本を選びましょう。
『やさしくわかりやすい数学Ⅰ+A(シグマベスト)』
『よくわかる高校数学Ⅰ・A()Gakken』
「1:解法パターンを理解するステップ」は達成できます。
2-2 解き方を手書きで反復練習する
「1」よりも大事なことは「2」の解法パターンを選ぶ練習をする問題集の選び方です。解法パターンを正しく選ぶためには、それぞれの解法パターンで問題を解く数をこなす必要があります。
解法パターンを覚えるには、同じ解法パターンで解ける問題を日にちを空けずに短期集中で、ひたすらに書いて覚えることでしか達成できません。「数学が苦手」と言う人は、とにかく手書きをする物量をこなす絶対量が不足していることが多いです。
2-3 計算スピードを上げる
そして、「3」の計算については、手を動かす回数が少ない人ほど計算に時間がかかって流れが止まりがちです。計算に時間がかかることで、「[2]解法が違うのか?[3]計算方法が違うのか?」の区別がつかずに訳がわからなくなって勉強をやめてしまうことが、数学を苦手に感じる一つの要因です。
大事なことはstep2の「正しい解法パターンを選び、自分で選んだことに高い確信を持つこと」です。step3の計算の正確性やスピードは、数をこなせば後からいくらでも上達します。
3.「わかりやすい」系統の問題集も反復練習には不向き
数学が苦手な高校生向けの本はもちろん日本全国の書店でも売られています。「わかりやすい・わかりやすく」系統のテキストや問題集はその代表例です。しかし、先にも書きましたが解法パターンを選ぶ基礎的な練習を、5~10問続けて一気にたくさんできる問題集があるかどうかと言えば、それができる問題集はゼロです。
たいていの市販の参考書は、1ページに
- 解法Aで2問
- 解法Bで2問
- 解法Cで2問
というように出題されています。これでは練習量が少なすぎます。これが「わかりやすい・数学」とタイトルが付いた参考書の弱点です。問題の量が少ない弱点を補うためには問題集が必要なのです。
一つの解法を十分に覚えきれないままに、別の解法で解く問題がいろいろと出てくると、何をやっているのかが迷子になっていきます。
こうして「次々と移り変わる解法パターンに振り回される」という状態が「勉強が苦手」という認識につながります。実は、数学に苦手意識を感じている人の中には「どの解法パターンを選んで解けばいいのかを迷って選べない状態」の人がいます。「解放パターンAを使って解いてください」と指示があれば意外と全問正解できる人も多くはずです。
4.数Ⅰ数Ⅱが苦手な人へのおすすめ問題集
このブログでは「数学Ⅰと数学Ⅱが苦手、でも頑張りたい」という人をサポートしています。
お待たせしました!
数学が苦手な人にオススメするのが『定期テスト入試対策 高校数学標準問題集』のシリーズです。数学が苦手な人ほど、問題集はこのシリーズを選んでください。
この問題集のレベル感は日常の授業の復習や基礎力アップをするのに向いています。もちろん定期テストの対策にも使えます。 この本の難易度の問題をスラスラと解けるようになったら、基礎固めは十分できていると自信をもっていいです!
『定期テスト入試対策高校数学標準問題集』のシリーズは、同じ解法で連続して問題を解く練習ができます。その連続性があるので解法パターンを覚えやすく作られています。他の参考書が1-2問の連続なら、この本は同じ解法の解き方で解く問題が3~4問続いているのが良いところです。
私の実感では、数学が苦手な人ほど、同じ解法パターンで問題を解く練習は5~10問以上を連続して解くぐらいの反復練習が必要です。つまり、この問題集の問題を3回繰り返せばトータル10回以上の取り組みができます。それだけ数学Ⅰや数学Ⅱの問題を実践すれば「頭の中の解法パターンに基づいて、高い確信をもって手を動かした実感」を体感できます。
ちなみに、問題集は「問題集」とタイトルが付いています。それ以外は「解説参考書」です。解説参考書は先ほど紹介した本から自由に好みで選んで大丈夫です。
もちろん、2-3回で覚えられるに越したことはありませんが、数学が苦手な人こそ5~10回と量をこなす必要があります。「問題を見て→解法パターンを選ぶ」練習を多くこなすことが大事です。
5.数学の「効率の良い勉強法」と「効率の悪い勉強法」
さて、最後に「効率の良い勉強法」の見つけ方話をします。
ひょっとすると、同じ問題を何度も繰り返すことは「効率が悪い」と思う人もいるかもしれません。解説を聞いたり読んだりして、頭で理解していれば十分という考え方も一理あります。
しかし、どの科目の勉強も「効率の良い自分にあった勉強法」を1回で見つけられることはことは滅多にありません。
「効率の良い勉強法」は、実際に実践をしてみて「効率が悪い」と分かった勉強法を段々と無くしていくことで初めて分かります。言わば「勉強法トーナメント」をしているのです。
そうして色々と試して最後に残った勉強法が、あなたに合った「効率の良い勉強法」です。(だから、手を動かさずに合格体験記を読んだだけでは頭は良くならない……)
効率の良さは、問題を解く圧倒的な物量をこなして、エネルギーを燃やした後に初めて手に入れられるプレゼントです。(だから、ちゃんと食事を食べて、必要な睡眠時間をとってくださいね)
数学Ⅰと数学Ⅱが苦手な人ほど、最初は効率が悪いと感じるかもしれませんが手を動かして書くことが大事です。半信半疑でも問題集を買って一度実践してみてください。
数学Ⅰ
数学Ⅱ
さて、私が家庭教師でしている授業では、この問題集を解くための基礎問題を自作しています。同じ解法で10問中10問正解できれば、問題集の2~3問は軽く正解することができます。問題演習の無料お試しプリントや数学の体験オンライン授業を希望される方は、(PCやタブレットでは画面右側、スマートフォンの方は画面下にある)メールアドレスにご連絡を頂ければ対応させていただきます。
数学が苦手な人は、
- 公式などの解法パターンが分からない →参考書で解決!
- たくさんある解法パターンからどれを選べばいいか迷っている →反復練習プリント&本屋の問題集で解決
- 計算スピードが遅い →問題集で解決
のどれかです。とにかく同じ解法で解ける問題を連続して実践して、この3つの苦手要因を区別してみてください。
数学の「苦手・できない」は、物量をこなせば「そこそこできる」に変わります!
応援しています!