社会人で勉強をしていると、時々「勉強法の勉強」をどんどんしたくなる誘惑があります。本屋に行けば必ずと言っていいほど自己啓発のコーナーには最新の本が並んでいます。新しい勉強法と銘打った本から、ドーパミンやセロトニンなどの脳内物質を出せと言っている本、時間管理術の延長で勉強法を解説している本など、勉強の方法はたくさん解説されています。
社会人は一人ひとりの勉強の目的が違うので、その方法は何十種類もあって当然です。それは
- 暗記が必要な勉強
- 組み合わせに慣れる勉強
- 手順を頭で覚える勉強
- 手順を手足を動かして覚える勉強
など、ゴールの種類によっても相性の良い勉強法は変わってきます。
私は勉強に苦労をする経験は必ずしも必要は無いと思っていて、苦労せずに目標達成ができるならそれはそれで理想的な良いことだと思います。趣味の古典の学びは誰からも強制されているものでもなく、カチッとした目標はなく興味関心のままに学ぶこともアリだと思います。
勉強法は試して合うものを残すような「勉強法トーナメント」が効果的だと思います。書きなぐる勉強法や、つぶやく勉強法など、どれほど子供だましのような方法でも意外と効いたりします。1日勉強を5分でもしたら、かわいいシールを学習ノートにペタッと貼り付ければ、なんだか良いことをした気分になれる人もいるかもしれません。
一方で、大人のための勉強の本で私があまり信用をしていないテーマは「脳内物質」の本で、アドレナリン・ドーパミン・セロトニンが人間の行動に関わっていることは否定しませんが、勉強においては「いまの時点で自分の脳内に何マイクログラムのドーパミンが出ているのかなんて分かるはずがありません」分からないことは人に教えられません。「ドーパミンを出せ!」よりも「類題を3問解いて!」の方が具体的でわかりやすいです。ドーパミンがいくら増えればテストの成績が10点アップするかの相関は謎のままなので、勉強法のノウハウは行動ベースで評価するのが一番わかりやすいと思います。そして、かけた時間の方よりも、問題に正解できるという成果を重視して勉強を進める方が「成果がでるから勉強が楽しい」という良い学習のループを生み出せると考えています。