このブログでは、火曜日にIT関係やChatGPTの記事を投稿しています。
1.市場価値を高めるための組み合わせ
IT技術は、別の専門スキルと掛け合わせてこそ最大の効果を発揮します。
IT技術そのものだけで市場価値を高めようとすることは分が悪いです。その理由は、世界中の理系の超優秀でハイスペック人材との戦いになり、未経験からの新規参入は不利だからです。
間接部門では
- 経理×IT
- 人事×IT
と組み合わせることで市場価値が高まるでしょう。
売上部門では
- 営業×IT
が有名で、The Modelと呼ばれる営業の分業体制が注目を浴びています。
キャリアと転職を考えるお手軽でしっかりした入門書は『ライフピボット』を読んでみてください。とてもオススメです。
私がジョブ型の働き方と、自分で学ぶスタイルに慣れておく必要性は、この記事に書いています。中途入社のジョブ型にはそもそも教育制度が存在しないという話です。
2.プログラミングを教える人が減っていく
プログラミング学習に限らないですが、気になった分野があるなら早めに小額から学習をスタートさせた方が良いと考えています。というのも人口減少社会で働き手が減ると同時に、専門技術を教える人も減っていくからです。
優秀なスキルを持っている人ほど目の前のタスクの処理に忙しいので、教える時間・体力・精神力のリソースが限られると考えられます。先輩や上司に悪気は無くても、自分で学習教材を見つけて自主学習を進めない人に、かまってくれる人はいなくなるでしょう。
3.評価されない社内教育
社内の評価制度の中に後輩への教育が評価項目に含まれないことがあります。
今現在のタスク処理の達成度だけが評価項目になっている場合、プレイヤー兼指導者の役割は残業代が出ないとやっていられない気持ちになるのが通常だと思います。
経営者や管理職が教育に報酬を与えずに、「従業員の好意からの指導・残業代返上で行う定時後の自己学習」と名前をつけた付けた無給の時間外勤務にフリーライドをするだけなら、
- 個人業務を効率化するために、IT部門が関与していない野良ツールを作って属人的な業務の効率化を目指し、
- チームや会社全体で共通して使うツールの作成や、全社的なDX化推進プロジェクトの担当者になることを全力で避ける
といった行動をとる人はますます増えると考えられます。
プログラミングに限らず、なぜか共有コストや伝達コストはゼロコストにされることが多いので、過剰タスクや過剰労働に陥らずに自分の体と心の健康を守るためにも、「意識的に・戦略的に社内教育から離れて距離をとる」ことが必要になるかもしれないと考えています。
私自身は説明や伝達や教えることが好きなタイプなのですが、身を守るためには必要なことかもしれないとも感じていて、寂しい気持ちになります。
4.社内教育がオワコン化する社会で
大企業は社員研修がしっかりと体系化されているのでこの限りではないかもしれません。
ですが、中小企業の総務による社内教育はオワコン化して、「メラビアンの法則」や「敬語のリスト」を紙で印刷して渡すだけの座学に落ち着くと思います。そして「長く働いていれば会社がいいようにしてくれる」と考え、7年勤めた人より、中途採用の1年目の方が給料が良いことに文句を言います。「自社で社員を育てる機能が無く、他社が育てた社員を連れてこないと人材がいない組織」に危機感を持った方が良いと考えています。
役員も「スキルアップは社員の自助努力にして安く済ませたい」という本音を伝えません。だから、たいていの実践スキルの習得はOJTで運任せになります。
そもそも各職種の専門ジョブスキルを、総務部主催の座学だけで習得することはできません。先輩や上司が専門ジョブの教育時間やフィードバックの時間をとってくれるのかどうかは気分しだいです。そこは運です。
専門職は全員ライバル、なんて会社組織もあるかもしれません(私は恐いから入りたくないですが……)。
転職する人がどんどん増えることは良いことですが、そうなると同時に、真面目な誠実な心で、専門ジョブスキルの社内教育を推進する人に対して「自分達のライバルを増やして、既存社員の立ち位置を脅かそうとする邪悪な人間」といちゃもんをつけて「嫌われている」ことにしたがる社員が出て来ると思います。「年功(退職金や社内権威)」を失いたくない既存社員の妨害です。手足を動かさない社内評論家や社歴だけは長い嫌がらせが得意な社員が、自分の頭で考えたくない人たちの集団をプチ・マインドコントロールして間接的に攻撃をする姿がちらっと目に浮かびます。
良くも悪くも、先輩や上司から知識や技能を強制的に詰め込んでもらえる時代は終わりつつあると感じます。優しく甘く放置されて仕事を巻き取られる時代です。「いーよいーよ、君はそのままでいて、ありのままで穏やかに過ごしてくれればいいから。定時上がり。ワークライフバランスも20代30代で求めて私生活を充実させることも大事だね」と共感されているうちに、影響力が少ない妖精みたいなふわふわしたキャラの社員になってしまうことが私は怖いです。それなら自助努力としてセルフブラック化をした方が良いと考えています。
これからは教育資源を社内に求め過ぎないスタンスが必要だと考えています。生身の人間による教育が「崖にかけられた梯子」とするなら、先に崖を登った人に梯子を焼かれる前に、崖を登りきらないといけません。
専門職を目指す以上は「そんなこともできないの!?」と崖の上からマウントをとってくる人が現れます。誰かがかけた梯子を使って崖を登りきった後に、他の人を登らせないように梯子を焼く人がきっと現れます。
- 「聞かれなかったから分かっていると思っていた。」
- (質問をした時には)「そんなことも知らないの?」
これは今もすでに行われている格下攻撃です。ジョブ型の働き方が増えるともっと意地悪になるでしょう。
スキルアップの方法がブラックボックス化されて、教育資源がどこにあるのかわからずにさまよう人が増える時が、本当の教育格差・賃金格差固定化の始まりです。
スキルアップのツールが「見えやすい場所にある」ことは当たり前ではありません。ただ幸いなことに、長く同じ会社で働くことを前提にしている人は大勢いるので、専門職スキルの社内教育は終わりつつありますが完全には終わっていません。教えてくれる人が残っているうちに学び始めましょう。
キャリアを考えたい人は、次の3冊から好きな本を選んでみてください。どれも自信をもってオススメできる本です。
キャリアづくりの教科書
そして最高の自分へ インポスター症候群
会社を辞める踏ん切りがつかない人に、エネルギーをくれる本です。
仕事に関する9つの嘘
会社に過剰な期待を持たない方がいいことを教えてくれる本です。「上司から正しく評価されることなんて無理!」と納得感と、次にするべき行動の方針を与えてくれます。