このブログでは、水曜日に学習をテーマにして記事を投稿しています。
仕事の「仕組み化」と、自主学習や受験勉強の「仕組み化」は、どちらにも共通する部分があります。
そこで、「仕事術のビジネス書を勉強に活かす」観点から、勉強に使えるビジネス書のエッセンスを抜き出して解説します。
今日の2冊はこちらです。
『努力は仕組み化できる』
キーエンスの『仕組み化がすべて』
1.ビジネス書と勉強法の共通点
ビジネス書のハウツー本と、受験勉強の解説書にはいくつかの共通点があります。
一番わかりやすいプロセスがPDCAです。
- Plan(計画)
- Do(実行)
- Check(振り返り)
- Action(改善)
です。
この中で、今回はPlan(計画)に焦点をあてます。
2.『努力は仕組み化できる』
本全体では目新しい内容はありませんでしたが、すぐに活かせる内容として「意志の弱さを計画内に詰め込む」工夫です。
これを具体的に実践するなら
- 実行の時間を、最初に決めた時間から1.3倍多めに設定する。
- タスクの量を、最初に決めた量から0.8倍少なめに設定する。
- 勉強の手を止めたくなった時の行動をあらかじめリストアップして、実際の場面ではそのリストの中から選ぶようにする。(→後で解説するナッジ)
などができます。
3.キーエンスの『仕組み化がすべて』
こちらの本は会社のチームの仕組み化がメインの本で、この中から個人の勉強に関係しそうなことを抜き出すと、
初速だけで終わらない継続的な取り組みをつくる
ルールを作る段階から「振り返り」の仕方を組み込む
頻度と方法を決める
「振り返りは面倒」という事実を受け入れたうえで、どうするかが大事です。
考えるキッカケの問いかけになるフレーズは、
- 課題を洗い出す
- 仕組みは実現可能か?
- 仕組みは達成感や成長感を得られるか?
- 結果のイメージは明確か?
などです。
4.ナッジは勉強に活かせる?
ナッジとは行動経済学の分野で、相手を望ましい選択に誘導する方法です。『努力は仕組み化できる』の中でも取り上げられています。
無意識に選んでいると思っていたものごとが、実は仕組まれていたり何かを見た後の模倣に過ぎなかったということを研究発表している分野の言葉です。
「今の自分が未来の自分の行動を誘導する」という考え方は活用できそうなのですが、回りくどいルートになると思うので、あえてナッジの知識を深める必要はないと考えます。ただ、行動選択の意味では面白い分野なので『人は皆、誰かの欲望を模倣する』」や『勘違いが人を動かす』を読んでみると面白いかもしれません。
私の感覚では、自己抑制の無いナッジの知識は「効果強めの薬」という印象です。感受性が強い人にとっては「人間は愚かだ」と変な万能感のゾーンに入ったり、「私はどうしてこんなに自主性が無いんだ」と変な自己否定にもなったりするかもしれません。
マーケティングにも活用されますが、他人に試すには身銭や時間を使ってを試すことが必要だったり、下手なナッジは安易な心理操作であることがバレて評価が下がったりすることもあるので、他人に使うにはリスクの振れ幅が大きな分野だと感じます。
勉強に「ナッジ」はあえて使う必要はないとは思いますが、if-thenプランニングという「勉強がノっていない」と感じた時に「こうする」という項目をリストアップすることには使えると考えています。
私がしている方法の一部は
- コーヒーを飲む
- カフェやファミレスで1時間勉強してみる。
- 10分ウォーキングをする
もナッジの1つと言えると思います。
ビジネス書の「仕組み化」を勉強に取り入れるときは、まず最初に勉強に手が付かない時にする行動をリストアップしてみることがことが効果的です!