投資・トレードをしている方向けの記事です。
本書は、経営者兼Youtuberの上岡正明さんが書いた本です。
1.初級者~中級者向きの投資本
本書には、すぐに使える実践的な内容が多数書かれています。
投資・トレードの初級者の人は個別株投資の戦略を決められます。中級者の人は、いま行っている投資スタイルの見直しに使えます。
他の本には載っていない、私もずっと知りたいと思って探していた内容が載っていました。
- 利益確定の判断基準
- 投資・トレードノートに書く内容
- 安い所で買うための、セクターローテーションの視点
利益確定のタイミングを難しく感じ、迷っている人にとってはタイムリーな本です。
他にも、銘柄選びの視点や、4つの重要なニュースサイト、参考にできる著者の投資ルールなど、投資・トレードスタイルの振り返りに使えます。
2.利益を得るための再現性
本書で何度も繰り返されるのは「再現性」という言葉です。成功と失敗それぞれに存在します。
著者は「投資=経営」と考え、「失敗の再現性を放置しない。秒で改善する」ことを推奨しています。
「自分のミスを頭の中で再現して、言葉にできる」という能力が、株式投資で勝ち続けるためにとても大切だからです。(83ページ)
自分の再現性:投資ノート、トレードノートで改善する
読後の感想として、再現性を高めるには『とにかく行動した理由を、頭からひねり出して書く』ことが大事だと実感しました。思考を他人任せにせず、自分で考えた結果をyoutubeや本で答え合わせする態度が利益につながります。
買う前の準備や、心のコントロールについても説明があります。
- しくじりメモを、自分の投資の失敗を集めた「失敗大全」にするつもりで書く(191ページ)
- 投資にスリルや非日常を求めない
- 注意を分散させないために、モニター画面は1つにする
- シナリオを作り、パターンをいくつか想定する
耳が痛く、ドキッとするような指摘が書かれています。なんとなく流したり、都合が悪いことをわざと忘れて意識上に上げなくしたり……
過去を振り返ることが、ステップアップにつながると実感させられます。
相手の再現性:チャートの検証とセクターローテーション
著者の投資手法は「安く買い、高く売る」です。
セクター投資の理論、トレンドラインを引いたうねりとりが説明されています。
検証を重ねることの重要性が、何度も書かれています。大衆心理にも目を向け、安い株に魅力を感じて、多くの人が買いに来てくれるかという視点も解説されます。
3.個別株投資の優先順位は一番最後
著者の上岡さんは、投資の順番を
(1)本業・副業・節約
(2)インデックス投資や金など
(3)個別株投資
と位置付けています。
本書は個別株投資に限定した解説本です。副業や節約、インデックス投資の話は『「お金の不安」から自由になるためのお金が増える強化書』に書かれています。
ライフプランと長期投資の解説が充実していますので、ぜひ読んでみてください。
当サイトでも解説記事を書いています。
インデックス投資と個別株投資の考え方は多くの人が解説しています。楽天証券の田中泰輔氏は、『逃げて勝つ』の中で似たようなことを言っています。
こちらは「コア・サテライト投資」として、コア(長期分散積立)とサテライト(金・不動産・株式投資・新興国など)に分けています。中核とその周りの衛星に例えているんですね。
個別株投資はリスクが高いです。倒産や予測できない不祥事、突然の株式分割などで、一気に資産が半値になることもざらにあります。
知識と経験が少ないうちは、NISAや特別口座でのインデックス投資を中心に、地味で地道な長期分散積立を行いつつ、余剰資金で個別株投資をすることが良さそうです。
投資・トレードは本当に難しいですが、今まで意識しなかった世界中のつながりを感じられます。とても興味深くて楽しい分野であり、勉強すればするほど奥が深いと感じます。私も、強欲にかられて、資金を呑み込むブラックホールに引きずり込まれないように気を付けたいです。
まとめ
この一冊で、個別株投資に必要な考え方の基本を、数多く得ることができます。初級者~中級者向けの投資の本としては、他の本にはあまり載っていない利益確定の考え方や、トレードノートに書く内容などが独自の視点で書かれているため、希少価値が高いです。
すぐに使える実践的な内容ですので、きっとあなたの投資・トレードの力になってくれるはずです。
※投資は元本を保証するものではありません。当記事の内容を鵜呑みにせず、投資は必ずご自身の判断と責任の下で行って頂きますよう、宜しくお願い致します。投資・トレードをされる方は、必ず免責事項の専用ページをお読みください。
投資・トレードは上達します!