トレーダーと投資家のための、本の解説シリーズです。
- 移動平均線だけを使った、シンプルな方法です。
- 信用売りだけでなく、信用買いにも使えます。
- うねり取りが解説されます。
- システムトレードに追加できる手法です。
- 読むとワクワクしますが、初心者には難しい本です。
1.移動平均線で空売りのルールを作る
テクニカル分析の本の多くは、移動平均線の「ゴールデンクロス・デッドクロスからのトレンド発生」や、ローソク足をつなげた「トレンドライン(指示線・抵抗線)での反発」が書かれています。
この本には、他ではあまり載っていない、保ち合いでの移動平均線とローソク足の関係性や、移動平均線の並びと向きがバラバラでトレンドが無い時の考え方が載っています。
2.うねり取りの本
1.第4章が読みどころ
第4章では、本格的にうねり取りが解説されます。
オリジナル用語を使って、移動平均線とローソク足の関係を見ながら、エントリーと手仕舞いのタイミングが説明されます。「買建玉:売建玉=「0:2」「1:4」など、信用取引で建玉を操作する流れは、とても読みごたえがあります。
2.保ち合い(レンジ)のエントリータイミングを解説
ボックス相場や、保ち合い相場での、エントリー基準が解説されます。もちろん、移動平均線だけを使います。ポジションを動かすルールはシステムトレード的と言えます。
3.読むコツは、独自用語に慣れること
第1章から初めて出会うオリジナル単語が目白押しでした。
慣れるまでは、読み進めるのにとても苦労しますが、諦めないでください。4章5章になれば一気に内容を理解できるようになります。驚くほどスッと頭に入ってきます。
著者はセミナーもたくさん実施しているようで、言葉に力強さがあるんですよね。特に第4章なんかは、ぐいぐい引き込まれる感覚になります。自分もプロのプレイヤーのように自由自在に建玉を操りたいと、ワクワク感と夢を与えてくれます。
3.うねり取りを目指す中級者・上級者向け
この本は「初心者には難しい」、「資金と経験がある中級者・上級者向けの本」と割り切ってから、買うかどうかを決めるといいと思います。
読んだ後に、落ち着いて振り返ると、いくつか疑問が出てきます。
疑問1:細かい損切りでメンタルが持つか?
建玉の操作はとてもワクワクするのですが、移動平均線をローソク足が突っ切ると、容赦なくポジションを操作する手法です。含み損が出ている時のメンタルコントロールや、何回にも分けて分散エントリーをするための資金量も必要です。
疑問2:うねり取りの銘柄選びは?
あくまでチャートや移動平均線と言った、テクニカルに基づいた売買を説明している本です。資金に応じてどの銘柄を選べば良いのかは書かれていません。指数・個別銘柄・通貨など、何を選べば良いかは迷いが残ります。
疑問3:レンジ相場でエントリーする?
相場を休むことは教えてくれません。
『株価チャートの教科書』のように、レンジ相場では何もしないことを薦める本もあります。トレンドラインを抜けて、トレンドが発生してからエントリーすることも一つの方法です。
疑問4:両建てをすると混乱しないか?
買い建玉と売り建玉の数を操作すると、混乱しないでしょうか。
「片方の含み益・片方の含み損・買い増し・売り増し・保証金率・余裕資金額」など、両建てをすると考えることが増えて、急に複雑になります。この点で中級者と上級者向けの本だと思います。ただ、うねり取りに限らず実践しないと上手くならないので悩ましいところです。
4.安全な投資とは
結局、何を「安全」と感じるかは自分自身の心に聞くしかないと感じました。
信用取引は3.3倍までレバレッジをかけられますが、レバレッジ1倍の取引や、指数のETF、FXの1,000通貨の方が気持ちが楽なら、それが安全な投資とも言えます。第6章の信用取引のルールを頭に入れることも、安全性を高める一つのステップだと思います。
5.まとめ
うねり取りを解説する本で、初心者がすぐに使おうとすると、経験と実践が足りないことを実感するかもしれません。独自用語に慣れるまで頑張って読めば、手法と夢とワクワク感が手に入ります。
レンジ相場で迷った時には、移動平均線を使った売買判断の助けになってくれます。本格的にうねり取りの技術獲得を目指す、中級者・上級者向けの本でしょう。
最後に、下の記事で紹介している本では、空売りを5つのパターンで学べます。はじめての信用取引の勉強なら、こちらの方が良いと思います。
トレード・投資は上達します!