この本は教育youtuberの人が書いた本です。誘惑が少ない部屋の環境を整えて、効率良く復習する方法を、分かりやすく説明してくれています。
今回は、本の紹介と合わせて、youtuberに勉強を全部任せた時の弱点を考察しました。
1.質問Q&A
質問1 本の対象者は?
A.試験で平均点を目指す学生・社会人にぴったりです。勉強時間を長くするために、スマホの誘惑に打ち克つ方法も書かれています。
- 「勉強の習慣がついていない」
- 「やる気はあるけれど、勉強が長続きしない」
そのような人の、助けになってくれる本です。
2.本のおすすめポイント
2-1 平均点を狙う勉強法が分かる
平均点を狙うためには必須の内容が載っています。
やってしまいがちな失敗例と対策が載っています。
たとえば、以下の勉強法が良くない例として書かれています。
- テキストを読んで勉強を終わりにする。
- 答え合わせをして終わり。
- ノートをきれいに書き直す。
- オリジナル単語帳をつくる。
- 覚えるために10回書く。
気付いた後は、方法を改善できます。
2-2 復習中心の学習が身に付く
点数が上がらない原因の一つに、「復習する範囲が多すぎる」という理由があります。復習する対象を絞ることが得点UPにつながります。
- 家で復習するところを決めておく
- テストに出そうなところを探しながら聞く
中でも、65ページの「〇△×」を使った復習する場所の選び方は必見です。
3.親は何ができる?
3-1 勉強する環境・勉強部屋を整える
この本を使って、一緒に勉強部屋を作るサポートができます。
物品をそろえることも、親が支援できるサポートの一つです。手軽なところでは、休憩時間や勉強時間を図るタイマーを用意してあげられます。
3-2 復習をサポートする
新しい勉強法は、とりあえず1週間試すことが提案されています。
その1週間後の振り返りをサポートできる人は、身近な人、家族です。
教育系youtuberのチャンネルでは、物理的にサポートしにくい点があり、それが次のyoutube学習の弱点につながります。
4.youtubeオンライン学習の弱点
これは著者のチャンネルに限らず、教育系youtubeには共通してあります。
4-1 動画の量に圧倒される
- 全部見ないといけない!と不安になる。
- どの動画から見れば良いか迷う。
- 自分のレベルに合ったチャンネルを選べない
視聴してみないと、合う番組は分かりません。大事なことは、難しすぎないか振り返りをすることです。1回見て分からなくても、2回3回と見ればわかることもあるので、何度か試すことも必要です。
4-2 何を勉強したかが目に見えて残らない
- 何を勉強したのか印象が薄い。
復習をして知識を定着するには、視聴した内容を印刷して手元に残すことが必要です。
- 動画を止めてスクリーンショットをとる。
- 印刷する。
- 再生時間を記録する
など、思い出すときの「取っ掛かり」を作る必要があります。復習の時に該当箇所をいちいち探すのは時間がもったいないです。
無線機能が付いたプリンタがあれば、配線コードに縛られずに印刷できます。また、A3スキャンができる複合機なら、様々なサイズのテキストをデジタル化できます。
4-3 ドリルが少ない
- 知っているけれど、問題が解けない状態に気づかない
youtubeはあくまで、分かりやすい解説動画です。「知っている状態」まで引き上げてくれますが、「自分でできる」状態までもっていくには、自分でドリルや練習問題をする必要があります。
この点は本にも書かれていて、問題演習が大事だと著者は言っています。理解した内容の復習は、「もう一度動画をみる」ことではなく、「ドリルをすること」です。
この点は周りの働きかけが必要でしょう。同じ動画を100回見続けても誰も止めてくれません。視聴をやめる時の声掛けをしてあげる必要があります。
4-4 おすすめ動画が誘惑してくる
Youtubeには誘惑がたくさんあります。おすすめ動画も出てきます。
集中を維持するために、利用シーンに応じて端末を変えることも、一つの方法です。余裕があれば、勉強用の端末と自由に使える用の端末を分ける方が、気持ちの切り替えがしやすいかもしれません。
youtubeはあくまで、勉強を始めるキッカケ作りに使いましょう。数か月の間ずっと同じ動画を見続ける事が目標ではなく、できるようになることが目標なので、youtuberに依存しない工夫が必要です。
あと、英語の授業は、字幕を付けると板書に集中できないで、やめた方が良いです。
5.まとめ
youtubeでの勉強は、次のように目的を限定して使うことをおすすめします。
①平均点を狙う人が、勉強に興味を持つためのキッカケ作りに使う。
②勉強をそこそこしている人が、苦手分野の底上げに使う。
youtubeには誘惑がたくさんあります。親が子にyoutube学習を進める場合は、タブレット端末を渡しっきりにせず、学習環境を一緒に整えた上で、学習の進み具合を確かめながら進めてみましょう。
< 引用 >
書名:『自宅学習の強化書』
著者:葉一(Haichi)
出版社:フォレスト出版
初版:2021年1月
<参考>
著者のyoutubeチャンネル
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