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発達障害者は安楽死できるか?人口減少中の日本では難しいと考える理由 (自閉症・ADHD・学習障害の挑戦)

日本では安楽死は認められていません。そして将来的にも認められる可能性は低いと考えています。少し重めのテーマの話なので苦手な方はこちらの楽しいエンタメ記事に寄ってみてください。

 

 

1.発達障害と二次障害と安楽死

発達障害には自閉症・ADHD・学習障害が含まれます。1つだけの診断の人もいれば、複数合わさっている人もいます。

 

加えて、二次障害としてうつ病・双極性障害・不安障害・強迫性障害などが診断されることがあります。職場のメンタル不調で心療内科を受診した時に、思いきって検査を受けて発達障害だとわかる人もいます。

 

発達障害診断済みの人の中には、カナダやオランダやスイスでは安楽死が合法だと聞いてうらやましいと思う人がいるかもしれません。しかし認められるまでにはいくつかの条件があり、その条件は発達障害者にとっては結構苦しいことです。

 

たとえ日本で安楽死が認められるのを待ち続けたとしても、日本で発達障害者の安楽死が認められることは難しいと私は考えています

 

 

2.カナダは安楽死が合法

次のグラフはカナダの総人口と安楽死した人口の推移です。

ChatGPTでグラフ作成,カナダの安楽死と人口を並べた

 

GPTに即席で作ってもらったグラフです。グラフの表現は左右のメモリが違うトンデモグラフですが傾向だけ捉えて欲しいです。

 

知ってほしいたった1つの重要ポイントは、カナダでは安楽死人数が増えているのに合わせて、人口も増えているということです。

 

安楽死人口が増加

総人口も増加

これを覚えていてください。

 

 

 

3.仮説:人口が増えているから安楽死合法化が通りやすい

私は「人口が増加している国では安楽死法案が通る可能性が上がる」という仮説を持って考えています。

 

多少人が亡くなっても、人口がどんどん増えていれば国の経済が保たれるので、安楽死の法案が通りやすいのかもしれません。

 

それとは逆に日本の人口は減少しています。ただでさえ労働力が不足して採用難になっている時代に、あえてさらに人口を減らす法律をつくるメリットは少ないです。

 

 

4.安楽死の条件は?

安楽死が合法化されている海外の国でも、

  • 他の方法を試してみた
  • 症状が良くならない見込みが高い

などの条件があります。

 

この条件があるので、発達障害を理由にした安楽死の実現が難しいと私は考えてい

 

発達障害は3歳でも80歳でも、それ自体で肉体が損傷を受けることはありません。発達障害はそれ自体では死なない病気で生まれながらの不治の病です。末期がんの人に麻薬を使ったり、胃ろうでの栄養摂取を止めたりするのとは話の種類が違います。

 

発達障害は「社会的な活動に支障をきたす障害」と言われることもあり、主に人と関わる時に限定して現れる障害です。診断名は同じでも現れ方の強弱が人それぞれに違うことも話を難しくさせます。

 

安楽死の条件にある「改善のために他の方法を試しても良くならない」ということを示すためには、ありとあらゆる場所での生き方を試すことが必要になると思いませんか?

 

発達障害者にとっては酷な話だと感じます。生まれながらにして苦手なコミュニケーション方法を、多数派が息を吸うように当たり前に馴染んでいるコミュニケーションスタイルに近づけるように頑張ることだからです。上手くいく方法が見つかるまではほぼ地獄、見つからなければどの道ほぼ地獄です。

 

明るい一面を見るなら、うまくコミュニケーションスタイルを獲得して適応して結婚して安定収入を得ている人もいます。暗い面を見れば、多数派のコミュニケーションスタイルに適応できなければうつや不安障害や適応障害の診断が下りる可能性があります。(もちろんその後に回復することはあります)

 

発達障害者が多数派のコミュニケーションへの適応に挑戦するときに、次のような姿になる可能性はあります。

  • 集団の中で上手く関わる方法を見つけて、実践を続けられる
  • コミュニケーションエラーを心がボロボロになるまで繰り返す
  • 人と関わらずに自室にひきこもる
  • セルフネグレクトをする

一度心がボロボロになる段階を経験してからやっと支援を受け始める人が多いのも酷な話です。病気の早期発見に加えて、本人が少数派の感覚を持っていることを早めに自覚するることは、発達障害者が気を楽にして生きるために必要だと考えています。

 

 

5.「長ければ良い」の美的感覚を変えること

発達障害の行動特長がある人にとっては、大勢の人が持つ「長く生きて、長く続けることは素晴らしい」という美的感覚は合わないと私は考えています。

 

その真逆の「迷惑だからいなくなった方がいい」という考えも不健康です。次の言葉は自分の頭の中の解釈を他人に当てはめ過ぎているマズイ考え方で、自他の境界がちゃんと引けていません。

  • これからの子供は生まれない方が幸せ → 自分の解釈を他人にあてはめ過ぎ。
  • 発達障害者は迷惑をかけてくるから●した方が良い → 過激すぎ。自他の考えを他人に押し付け過ぎ。人が変化することに目を向けていない。
  • 発達障害者も安楽死できるようにするべきだ → 日本では無理で、外国でも達成するまでの苦痛がある。日本で福祉支援を通じて安全な気持ちで生きられる場所を見つける方が現実的。

 

人口が減る日本では安楽死が合法化されることは無いと考えています。国の安楽死制度に頼る以外の方法で、生きやすい人間関係を積極的に選ぶことが大事です。

 

 

6.エンタメで希望を持つ

発達障害者に生きる期待感を持ってもらう方法の1つは、エンタメに期待する気持ちを持ってもらうことだと考えています。

 

好きな作品に会うかもしれないから少し先まで生きてみようかな」と感じられることが大事だと思います。

  • 新刊が出るまでは生きる
  • あの絵師の次の投稿を見るまでは生きていよう
  • 来季のドラマが面白いかもしれないからそれまでは死ぬことを保留する

たとえ自殺未遂の記憶が鮮明な今が余生を生きている感覚でも、希死念慮の時期を通り抜けて生き延びた今からこの先の時間にもうトキメキや期待感が残されていないように思えても、面白そうなことを感じてみたい」感覚はきっと死にたくて安楽死を求める気持ちを和らげてくれると考えています。

 

 

日本で安楽死を期待するのは止めましょう。

 

好きなことや好きなものを1つずつ大事に増やしていくことに意識を向けましょう。