「お前はどうしたいの?おじさん」に騙されないでください。仕事を巻き取ってくれるのは優しさではありません。
見限られるのが速くなった社会で、セルフブラック化が大事という話です。
1.ブラックからセルフブラックへ
最近の働き方のトレンドは
- 脱ブラック
- 副業をして収入の最大化を目指す
- 怒鳴らず蹴らずやさしく接する
です。こうして暴力や暴言が減ってきたことはとても良いことだと感じています。この流れは私も望んでいることなので、日本全体でどんどん推し進められて欲しいです。
そして、長時間労働とパワハラざんまいだった時期を超えて、ここからの動き方が変わってきていると感じています。ブラック企業を通り抜けてきて「我慢できてしまった」人にとっては、恨みや黒い感情があると思いますが、あと数年でそうした恨みを解消しておかないと、時代に取り残されてしまうと感じています。
ブラック企業時代に我慢してしまった経験を受け入れつつ、新しい風を納得して取り込むには『セルフブラック化』という考え方が良いと感じています。
ブラック企業が死人を出すのは、自分に裁量がないキツさがあったからなので、人が死ににくくなったこれからの社会では、自分に裁量のある仕事をどんどん詰め込む『セルフブラック化』が大事だと考えています。
2.もう誰も真剣に教えてくれない
誰もハッキリと言いませんが
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- もう誰も仕事を真剣に教えてくれることがない
という危機感が私の中にあります。
- 上の人は、パワハラ認定が恐いからきつく当たらない。
- 長時間労働はできないけれど納期は変わらないので、時間のかかる挑戦はさせずに早めに仕事を巻き取って間に合わせる
- 下につく人には「お前はどうしたいの?」と聞いて、失敗してもリカバリーがきく範囲に限ってで主体的に動いてもらって満足してもらう。だから報連相だけは徹底させる
教わる人の中には傲慢な人もいて、教えて伝えることにも準備の労力が必要なのですが、このコストをゼロだと勘違いして「くれくれ」する人がたまにいます。
また、人にはそれぞれ事情がありますが、週3日の時短勤務をしている人や、そのうち辞めることを前提にして働いている人に、中長期的な成長を期待して時間と労力を割いて熱心に物事を教えてくれる人なんていません。せいぜい、毎日のルーティーンを問題なくこなしてもらうくらいの負荷量しか任されることはないと思います。
その意味で、教わることのできる人の選別はどんどん早期化しています。
- 伸びしろのある人を選んで数を絞ってから、伝えるべきことを伝えた方がスムーズ。
- 熱心に取り組みもせず、他責で、言われたことしかせず、動き方の相談をしない人に教えてもこちらの労力が削られるだけで損、
企業の一部でわかりやすくあった学歴や学閥などの選別だけでなく、新卒や中途で会社に入って数か月、任される軽いお試しの仕事の段階で早々と判断され、真剣に教え伝えるかどうかをふるいにかける動き方が、中小零細企業にまで広がると考えています。
ちなみに、私が見限ってしまいたい人の特徴としては、
- 「教えられてないからやらない」スタンス
- 体系だった研修資料を、作る側なのに「くれくれ」する
- これから作る業務フローの見直しの完成形を「くれくれ」する
- 仕事を巻き取られて「やってくれるんだ、ありがとうラッキー」という態度を見せる。
などがあります。こんな人には、成果一定で失敗しない仕事だけを分け与え続けていたいという気持ちがあります。
私自身は「後はやっておくから大丈夫だよ」と言われるほど恐ろしいことは無いです。生かさず殺さず、邪魔にならないからはじき出されはしないけれど、挑戦もさせてもらえない。それは現状維持に見せかけたゆるやかな後退で、50代で早期退職制度の対象になって何のスキルもないままに追い出されることの方が怖いです。
20代30代でワークライフバランスや心理的安全性を叫ぶあまりに成長機会が制限されて、そのことが40歳以降のキャリア後半戦で弱みとして現れるのが働き方改革の罠です。数十年1社だけで熱心に働き続けていたとしても、究極的には会社役員や同僚はこちらの生活までは守ってくれません。未来の自分自身を守ってくれるのは、今の自分の頑張りです。
上司は「よしよし、なでなで」と触れてきますが、それは成長機会ではありません。仕事は社内営業をして獲得するものです。挑戦の入口の多様性が尊重される社会で、セルフブラック化する工夫が大事です。