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「かわいそうな人」の頂点を目指す戦い:卑屈な平均集団信仰から戦略的弱者へ

「かわいそうな人」の頂点を目指す戦いが起きています。

サムネイル,メリトクラシー,被害者やかわいそうの頂点を目指す戦い

戦略的に、ある一面では「かわいそう」な存在であることをアピールして、実はお金を持っていたり、自由に動き回れたりする人が最強だと感じています。

 

一見して「かわいそう」でも、

  • 実は、資産を持っている。
  • 実は、動き回るエネルギーがある。
  • 実は、稼げるスキルや資格を持っている。

これは、戦略的に「かわいそう」を使い分けることであり、いじめやハラスメントや差別を受けた人の、復活の希望をもてるストーリーになるかもしれないと考えています。

 

一見かわいそうでも、別の視点から見るとかわいそうではない、そうした「ズレ」を戦略的に使いこなすことが、たくましく生きる方法だと考えています。

 

世の中には、パワハラに代表されるように、実にならない我慢が多くあります。周りを見ていないと、いつの間にか「かわいそう・枠」に無理やり押し込められてしまいます。

 

だから、人生の中で、利益になる「かわいそう」を見わける努力が必要です。この記事では最初に、「かわいそう」を分類していきます。

 

  1. 無価値な「かわいそう・枠」:サンドバッグ。叩かれ役。動けない、縛りつけられた、焼き印を押された
  2. 注目を集めて稼げる「かわいそう・枠」
  3. 行政保護で節税できる「かわいそう・枠」
  4. 先の見えない暗闇の「かわいそう・枠」

 

1.四つの「かわいそう・枠」

一つ目:無価値な「かわいそう」

ただただ、酷い仕打ちを耐えていて動けない状態にいる人全般を指します。

  • 資産にならない
  • 動くエネルギーが吸い取られる
  • 稼ぐスキルにならない

 

母数が少ない集団で、直接的にお金が発生しない「かわいそう」には、本当にメリットがありません。

  • 学校や会社組織で言われる対象の「かわいそー」です。
  • 事実やポテンシャルは関係なく、ただその場所で力が強く場を支配している人のさじ加減でターゲットが決まる。

いじめ、パワハラ・セクハラ・モラハラ、DV(家庭内暴力)、怒られ役、業務の押し付け役、穢れの引き受け、無能枠、ポンコツ枠、できない人、といった枠。ありのままでは価値を感じられない環境に固定されているのだから、「あなたのままでいい」とか「生きているだけで価値がある」というのは力になりません。

 

みんなちがってみんな良い」と言った金子みすゞは自殺したように、「みんなちがってみんな良い(はずなのに、どうして自分はこんなに嫌な目に遭っているんだろう……)」と思うなら、その答えは、抜け出す意志と行動力が足りなかったからだと思います。人が抜けず、辞めず、母数の変わらない集団には、卑屈な「かわいそう」を求める性質があるからです。

 

残酷な事実ですが、人が1人死んでも社会は変わりません。亡くなった後に、運よくマスコミが取り上げることが重なれば、集団が動くこともあります。

  • 白人警官に殴り殺された、黒人のジョージ・フロイドさん。→Black Lives Matterへ。
  • 電通に勤めて過労死自殺した、高橋まつりさん。→働き方改革へ。
  • 北海道旭川市でいじめを受けて自殺した、廣瀬爽彩さん(※家族により実名公開)→いじめの調査へ。

ここでは、亡くなった人達の生きた意味や人生の評価を、関係のない人がする必要はありません。

 

それよりも、今生きていて、これからも生き続けているだろう人にとって、閉鎖的で内向きな学校ムラや会社ムラでいけにえにされて死ぬよりも、日本人全員を全プレイヤーにした、「かわいそうランキング」での上位を目指す方が希望がもてるという話です。

 

「かわいそう」を利用しようという話です。

 

二つ目:ショート動画のアテンションエコノミー(注目経済)の世界

大っぴらには誰も言えませんが、「かわいそう」は稼げる、これは事実です。

 

多様性、ダイバーシティ、ポリティカルポライトネス(政治的な正しさ)、注目経済(アテンションエコノミー)。これらのワードを使えば、弱さをたちまち武器に変えられます。

 

声や、顔や、個人情報を出してもいいなら、ショート動画やTiktokで、かわいそうな人が健気に一生懸命頑張る姿はポイントが高いです。多様性のゲームでは、平均集団からの差異があればあるほど、ちやほやされたり保護されます。つまり、「かわいそう」の頂点を目指すメリットがあります。

 

いじめられっ子がアイドルに、ニートが東大合格。みんなギャップが大好きなんです。平均から外れているほど「注目を集められる差異」として使えます。

 

なんでもありです。

  • 晴れの多い地域は、雨の多い地域の人を「かわいそう」と言い、
  • 山住みなら、海沿いの地域の人を
  • Sサイズの服を着ているなら、Lサイズの人を
  • 火星人は土星人を

自称でもなんでも勝手に言ってもセーフ。差異があれば何でもありです。

 

 

三つ目:行政区分上の弱者

私が注目していて、目指す妙味があると感じています。

 

端的に言えば、積極的に「かわいそう・枠」を狙いに行く、というものです。

 

世間一般のイメージの「かわいそう」に、実はメリットがあると考えるとどうでしょうか?

 

具体的には、

  • いじめが耐えられるうちに、心療内科に行って、医学的な保護を受ける。
  • 本格的に病まないうちに心療内科に通って、会社に席を残したまま1年6か月の傷病手当金を受け取る。その期間で、次のスキルアップのための資格勉強をする。
  • 個人事業主になって、法人で社会保険料を支払うことで、住民税非課税世帯を目指す。
  • わざと腕を切り落として障害年金をもらう。

詐病や自傷行為はさすがに度が過ぎていますが、環境を「学校・会社」から「日本社会」に変えたとき、その利用価値は一転します。

 

社会の「かわいそう・枠」に入ることで、大人なら税金が軽くなります。子どもは保護を受けられます。

 

戦略的に弱者を目指すメリットは節税にある、といっても過言ではないと考えています。

 

これから日本で生きる以上は、平均的な属性の集団には税金がどんどん課されていきます。耐える余裕を見せるのは損で、世間体を気にして「かわいそうじゃない」ようにふるまえば振舞うほど追い詰められる未来があります。それに、超富裕層から社会的弱者への保護は、社会システム的にも説明がつきやすく相性が良いと思います。

  • 資産持ちの裕福な低所得者
  • 健康な適応障害者
  • 日常生活に支障が少ない難病指定者

こうしたスペックは、初見だと意味が分からなくて頭にハテナが何個も浮かぶかもしれませんが、アリです。社会システムのバグは、先に見つけて利用できる人が強いです。

 

四つ目:先の見えない暗闇

治療法が確立していない、末期の難病指定者や、社会的にサポートが必要な重度の知的障害者など、肉体・生活スキルから見て、平均集団に入る方法が医学的にわからない人たちは、『先の見えない暗闇・枠』かもしれません。上手くやるための医療福祉の発展には賛成です。

 

私はかわいそうとは感じませんが、世間一般では無責任に軽々しく「かわいそー」と言いやすい存在で、この極にある姿が治療法が無いままに死にかけている人の状態だと考えています。

 

2.自分の頭で考えて動く力を奪う力

支配者と卑屈な人

さて、人はもともとフィットした環境を求めて動く力や、考える力を持っています。それを、同じ場所で何か月、何年と過ごしているうちに、誰しもエネルギーを奪われやすくなると考えています。

  • 同じ場所に居続けたい、同じ行動をし続けたい。
  • ずっと永遠に同じ環境認識でいたい。
  • 「ねっ!動かない方が安全だよね!?そうだよね?ねっ?」

集団の母数が変わらずに、抜けたり辞めたりする人がいなければ、その集団の中で上下関係も生まれ、加害被害の関係になった時に卑屈な人が現れます。

  • いじめてもいいから、仲間に入れてください
  • 低賃金でいいから、働かせてください
  • パワハラしてもいいから、クビしないでください

そんな卑屈な人をその場にとどめて再生産する言葉や仕組みもあります。

  • 絆、コミュニケーション能力、協調性、忠誠心、継続力、真面目
  • 「離れていくな・逃げるのか・負け組」

集団の上の方にいて、集団の既得権益メリットを維持したい人がその言葉を使います。下層の人たちを諦めさせ、無気力化して、酷い環境でも逃げ出さない心をつくります。本当に「他ではやっていけない」から動かないのではなくて、「無価値なかわいそう」枠にはまり続けるのを良しとして「自分で考えて、動かない」から、「他ではやっていけない」と思うようになってしまうのだと思います。

 

みんなと同じが平均的で一番安心、同じ場所で同じ集団に囲まれたままで死ぬまでずっと過ごしたい」と強く思えば思うほど、排他的になり、支配者と卑屈な人が現れます。

 

下層の「かわいそう」を求める人は、「動かないことの正しさ」を鏡のように映し出してくれる存在を求めているだけで、下層に設定した人に「動けなくてかわいそう」と言いながら、実は似た性質の集団の中で動かないでいい安心感を感じているのかもしれません。

 

「みじめさ」の押し付け

動こうとしない人が集まっている集団は、みじめな人を設定することには長けていても、「そこからどうすればみじめで無くなるか?」の問いかけには答えられません。

  • テストでバカ(ガイジ)になったら
  • 精神病(キチガイ)になったら
  • 同性愛(ホモ)になったら
  • いじめられたら(チー牛)
  • 認知症になったら(ぼけ老人)

「チー牛」と呼ばれたくないのは、チー牛になったら、どうやって平均集団に入ればいいかわからないからで、なったらこの世の終わりで、集団の隅に押しやられて見通しがつかなくなるからです。

 

希望のないone for all・all for oneは、

  • 下層としてなら集団に入れてあげる。
  • いじめられてもいいから仲間でいさせてください。

とでも言っているような不健康な関係性です。

 

閉鎖的な学校のクラス・会社の1部署で「かわいそう」になっても、本当にメリットはないので、マイノリティはそれなりの社会システムの利用のしかたを見つける必要があります。

 

3.死に方を選ぶか、延命治療をするか?

私は、同じ集団の中にずっといようと思えば思うほど、死に方や死に時を選べなくなると考えています。

 

自殺願望はもっていませんが、自分が80代や90代まで生きるとして、どこまで健康を維持して生きられるかはわかりません。

 

集団には「動き方を変えるなんてコスパ悪いし、動く人はかわいそう」と考え方へ向かわせる力があるので、同じ場所にいるうちに動いたり考えたりすることが面倒くさくなってきます。そして、そうした態度の行き着く先が、過剰な延命治療に身を任せることだと考えています。

 

自分の意志で動けず、返事もない、目も合わない、自分で意思決定ができない、それなのに生かされ続けている。

  • 栄養は胃ろう
  • 便はストーマ
  • カサカサの皮膚にベタベタの保湿剤
  • 体は拘縮してカチコチ
  • 数時間ごとにゴロゴロと体を右へ左へと動かされる。
  • カーテンで仕切られた無機質な部屋
  • 建物には便とアルコールのにおい。

治療がお金を生むから、生き続ける意志がなくても、どんどん長生きさせられます。そうしなければ、医療法人は、同じ売り上げ・同じ年収・同じ待遇を維持できないから。

 

本当に避けるべきなのは、中長期的に自分の意志で動けなくなることだと思っています。

 

死に方を考えなければ、延命治療で生かされ続けます。肉体的には死んでいなくても、自分で決めないままに誰かが押し付けてくる「かわいそう」な姿のままで生かされ続けるのも同じようなものです。

 

どのように生きるかと同じくらい、どのように人生の最期の時間を過ごすかも重要です

 

いじめを受ける・延命治療を受ける・覆せない上下関係の下の方として扱われる、そうした要素は、自分以外の誰かの要求なので、受け続ける意味はあまりありません。受けたらさっさと、何にもならない「かわいそう・枠」から抜け出して、メリットのある「かわいそう・枠」に移動する方がいいです。

 

その移動先は、日本人全員を全プレイヤーにした、「かわいそうランキング」を競い合うフィールドです。

 

4.戦略的弱者を目指す:「かいわそう」の仮面を付けてギャップを押し出す。

大事なことは「動くエネルギー」です。

 

私が思う、動くエネルギーに満ち溢れた人は、

  • 刃を研ぐ
  • フットワークが軽い
  • 反応が良い

などの特徴を持ち合わせています。

 

そのエネルギーをためておき、「実際は動けるけれど、動くことも動かないことも選べる人」が最強です。それは、戦略的に弱者を目指し、一面では弱者であり、一面では強者であるといった、複数視点の世界を意識的に生きることで実現できると思います。

 

これから先、日本の中で人数の多い集団と同じ行動をするメリットは薄くなると考えています。金融所得への課税が検討されている様子をみると、その思いはますます強くなります。

 

一面では「かわいそう」を受け入れて演じ、注目を集めて儲けるか、行政の保護を受けて節税する。そして実は自由に動き回るエネルギーを持ち続けている。その立場が最強です。

 

いじめ被害者、ハラスメント被害者、薄給大学院生、赤字経営者、障害者、貧乏。母数が少ない集団では「かわいそう枠」でも、社会的にみれば平均から外れた「かわいそう・枠」に入れる希望があります。

 

言いたいことは3つです。

 

動き回るエネルギーを持とう。

 

集団に戻ることを求めて卑屈になるな。

 

「かわいそう」の頂点を目指そう。