台風が過ぎて、トラックの運転手と何かの会社の倉庫から出てきた人が笑顔で何かを話していました。その笑顔がなんだか自然でとてもスッキリとしていました。
そこでなぜか直感的に「台風の影響が少なくて良かった~」みたいな会話をしていたのかもしれないと想像をしました。
ふとした偶然の出来事でした。
その人たちが何を話していたのかは聞こえませんでしたが、その瞬間の風景から、どうすれば天気の話を通じて相手からの信頼を得られるのかを少し考えてみました。
1.雑談ネタ探しの定番テーマ
相手とちょっと会話をしたい時に、会話の始まりに使うテーマとして「木戸に立てかけせし衣食住」があります。
き:季節・気候
ど:道楽(趣味)
に:ニュース
た:旅
て:天気
か:家族
け:健康
せ:世間
し:仕事
衣:衣服(服装)
食:食べ物
住:住まい・地域
明日に会いに行く人に対してどんな導入をしようかを考えるときのアイディア出しには使えます。
ただ、相手を目の前にして総当たりをして使うには時間がかかるツールのため、会話をする前の準備のためのツールとして使うことが便利です。
2.天気の話がつまらない理由は「現状追認」だけだから
「会話がつまらない」と言われるのは、けっこうグサッとくる言葉です。
つまらない話だとしても、気まずい沈黙の数十秒を過ごすよりはいいと思って、たまに私も天気の話題を投げかけます。
この、つまらなさ・続かなさがどこにあるのでしょうか。
ひとつ思いついたのが「現状追認をしているだけ」だから、という理由です。
- 晴れている→晴れてるね。
- 雨が降っている→「降ってるねー」「すごい雨」
語尾に「ね」を付けたとしても、どれだけ大きな声で言ったとしても、なんだか独り言としても完結します。その言葉には
- 机の上にボールペンがあります。
と同じ熱量しか感じられません。
現状追認に終わらせないためには、天気の話に追加する要素は、
- 時系列ごとの感情の変化
に加えて
- 相手のルーティンの理解
- 相手の仕事の工程の理解
- 相手の脳内の気がかりごとを想像する
などのステップを追加すると良いと考えました。
3.時系列ごとの感情変化
天気の話を信頼獲得の話にまで深めるには、「過去から今」あるいは「今から未来」の時間の流れの考えが大事だと思います。
相手が天気に関わることで何を気がかりにしていて、「過去・今・未来」の時間の流れの中でどんなギャップが今起きているか。そこにある感情の名前は?
- 「これから台風が来るので帰りが心配」
- 「思ったより早く降ってきた」
- 「傘持ってきてる?帰りに濡れない?」
- 「お足元の悪いなか~」
被害があると想定していた台風が思ったよりも無事に通過した場合は、ネガティブな予測が解消されたニュアンスです。
「雨が降ってるね」に比べれば、茶色の弁当にミニトマトを置いたくらい彩りに違いがでます。
そこからさらに踏み込んで、相手の人に「この人は自分をわかってくれている」と感じてもらうためにはどうすればいいでしょうか?
そのためには「相手の状況を推測する行動」が必要と考えました。
4.相手の仕事の工程を推測して組み立てる
台風が過ぎた翌日に偶然見かけた人たちが、どうしてホッとしたような安心感のある笑顔を見せていたのかを考えると、前の日に予測していたよりも台風の影響が小さく、「これからいつも通り、支障なく仕事を進められることへの安心感」を共有できたからだと推測しています。
物流の仕事では
- 社員が出勤できずにコンテナへの積み込みが遅れるかもしれない
- 通行止めや渋滞で、トラックの到着が遅れるかもしれない
- 積み荷が濡れるリスクが高まるかもしれない
小売店では
- 来客が減って、売り上げが減るかもしれない
- ガラス割れ対策や、浸水対策をする必要がありそう
などの不確定要素が、見通しのつく確定要素に変わりました。
こうして書いていると、天気の話の対象は「空ではなくて、人」だと感じます。
天気の話題をキッカケに、
- 時系列の感情変化を会話に含めること
- 相手が習慣にしている行動を把握したり、推測したりして、相手の気がかりごとを話題に挙げること
を意識すれば、相手の心に「この人は私のことを分かってくれている」という信頼感を生み出すことができると考えました。