ChatGPTを使ったプログラミング学習の致命的な弱点とは何なのか!?
Javascript・HTML・CSSと、私が初心者から学習を進めている途中で感じたChatGPTの弱点をまとめます。
結論としては、ChatGPTを使う人こそ、口頭コミュニケーションのソフトスキルを磨く必要があるという話です。
- 1.ChatGPTでプログラミング学習をするイメージ
- 2.ChatGPTプログラミング学習の最大の弱点は「孤独」から「古臭い人間になること」
- 3.ChatGPTのセキュリティ課題
- 4.人に助けてもらえない問題
1.ChatGPTでプログラミング学習をするイメージ
ChatGPTを使ったプログラミング学習では、
- コードのエラーの修正(デバッグ)を任せる
- 基本的な構文の使用方法を教えてもらう
- コードの意味の解説をしてもらう
など、いろいろな作業ができます。
中でも例文を出してくれる機能は強力です。本当に初心者にも細かく分けて分かりやすく説明してくれます。
たとえば、分岐処理をつくるif文では次のような表示が出力されます。
とても使えるツールですが、ここ1-2か月の学習を進めてきて、ChatGPTを使ったプログラミング学習の弱点が出始めたと感じます。
2.ChatGPTプログラミング学習の最大の弱点は「孤独」から「古臭い人間になること」
結論から言うと、ChatPTを使ったプログラミング学習は「孤独」です。そして、その孤独によって「最新の技術に対応できない、古臭い人間になる」という致命的な落とし穴が存在します。
1つずつ説明していきます。
まず、ChatGPTは「今」の情報を検索しているわけではありません。これは私も最初は勘違いしていましたが、ChatGPTが回答をする時に使う元データは2023年時点に大量にインプットされたデータです。まるで今この瞬間リアルタイムで検索したかのように錯覚しますが、実際の情報は古いです。
つまり、2024年1月〜3月に現れた新技術はChatGPTでは正確な回答ができません。そのため「今」の時点のアマゾンの本の在庫数を検索することはできません。2024年中に起きたKADOKAWAへのランサムウェア攻撃や情報漏洩のニュースをまとめることもできません。
6ヶ月以内の最新技術やトレンドが絡む問題解決ができないことは、致命的だと思いませんか?
ChatGPTに依存をすればするほど、古い時代に取り残されていきます。ある一定までは人間がChatGPT内部のデータの賢さに追いつく快感があるでしょうが、その知識をリアルタイムの問題解決に活用するには問題の抽象化力が求められると感じています。(これは長くなりそうなので別記事にします)
この先、ChatGPTに推論の機能や自己学習の機能がどこまで付くのかは分かりませんが、どのみち回答プロセスはブラックボックス化されているので、目の前の問題解決にChatGPTを使い続けることには限界があると思っています。
※ちなみに、嘘の回答はハルシネーションと呼ばれます。これを防ぐには「分からない事は分からないと答えてください」の一文を最初に入れることが効果的です。
3.ChatGPTのセキュリティ課題
ChatGPTを本業で使えるかどうかは、職場の就業規則にも制限を受けます。
組織のパソコンから個人のアカウントにログインをしていいのか?(たいていは禁止されている)という問題です。
ログインなしの状態でも無料版は使えますが、回答回数の制限があったり、何よりも画像を入れられないという点で有料版とは大きく違います。
ChatGPTにログインしていいのかダメなのか?バレたらアウトの状況なのか?そんなあやふやな状況で、ChatGPTを使っていることを隠しながら仕事をしていると隠すためにも集中力が分散されてしまいます。ChatGPTの使用を明確に禁止する企業があるのも分かる気がします。
4.人に助けてもらえない問題
ChatGPTのプログラミング学習は孤独です。
孤独のもう一つの悪影響は「人に助けてもらえない問題」だと考えています。
私も少しこの気がありますが、次のようなタイプの人は陥りやすいと考えています。
- 口頭コミュニケーションが煩わしい
- 口頭コミュニケーションが肉体的心理的に疲れる
- 口頭コミュニケーションに苦手意識を感じている
こうした感受性そのものは良いも悪いもありませんが、「助けて!教えて!」のひと声が出せるのと、まったく出さないのとでは成長の度合いが大きく変わると考えています。
学習の初期段階からChatGPTだけで問題解決をしていると次のことが起こると推測しています。
- 簡単な初歩の課題はChatGPTが即座に例文付きで答えを出してくれるから簡単。答えは合っていて、コードも動くので周りはフォローをしない。
- だんだん課題が複雑で難しくなると、ChatGPTの回答も専門用語が増える。回答内容への追加質問が必要になって時間がかかるようになる。ここで初めて生身の人間の講師に質問をしようとするけれども、質問をするための体の動きやスケジュールの調整連絡に慣れていないので、考えているうちに時間が溶けていく。
- 報告なく設定期限に遅れる人、内心焦りながらも生身の人への質問に慣れていないので「こんなことで質問していいのかな……??」とためらっているうちにさらに時間が溶ける。1人で悩み続ける。
人に聞くか、ChatGPTに聞くか、どちらが速いかはその都度判断する必要があります。たとえば掃除道具の場所は会社ごとに違うのでChatGPTに聞いても分かりません。これを人に聞けば一瞬で解決します。
大事なことはヘルプを出したり、適度にフォローをしたりされたりする人間同士の関係性づくりだと思います。
ChatGPTを使った学習では最初のうちは急激に知識が増えますが、じわじわと新しい学習内容が先細っていき頭打ちになるかもしれないと推測しています。いつの日か来るChatGPTからの卒業に備えて「公式サイト」を見に行く学習スタイルを大事にしようと考えています。公式サイトは信頼性が高く、更新され続ける確かな情報源です。
そして、その技術的な知識を、リアルタイムで刻々と状況が変わり続ける問題解決に使うには生身の人間から情報を得ることが必要になる時が来ます。
だからこそ、ChatGPTを使ってプログラミング学習をする人こそ、口頭コミュニケーションのソフトスキルを磨く必要があると考えています。
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