このブログで、年間300冊のビジネス書のアウトプットをしていきます。(※期間:2024年12月28日~2025年12月27日)
15冊目は『アウトプットがすごい人の時短のキホン』です。
1.著者の経歴
著者は10名いて、共同で書かれた1冊です。
2.ビジネススキル
2-1 スキル表
1位 | 期待値コントロール | ◎ |
2位 | ボスマネジメント | ◎ |
3位 | 段取り・優先順位付け | ◎ |
得られるスキルは1位が「 期待値コントロール」、2位が「ボスマネジメント」、3位が「段取り・優先順位付け」です。
2-2 位置づけ・読み方
スイスイ読める文章は「スピード感を大事」に読み、必要に応じて「行動を振り返りながらじっくりと読む」内容です。
3.内容
上司の立場から部下がどう見えているか、上司は何を考えて仕事をしているのかを明らかにしている本です。
期待値コントロールの考え方
同じ成果であっても、その見せ方やアピールの仕方によって上司の評価は変わります。
その見せ方とは、何も資料が完成してからの見せ方だけではなく、資料を作る途中段階でのやりとりも含まれます。それこそが上司の期待値コントロールにつながります。
上司のほうも指示した時点では明確な完成イメージが無く、「たたき台」を見てから考えよう」と曖昧な指示を出していることもあるのです。
こうした状況で部下がかけるべき言葉は、
「仕上げる前の段階ですが、とりあえず方向性を確認させてください」
です。
「どうすればいいですか?」とオープンクエスチョンで質問をすると、上司はその場で1から検討を始める必要が発生し、上司からの質問攻めから、いつしか説教になる、と解説されています。
上司の評価基準をコントロールする考え方を「ボスマネジメント」と言い、部下側の立場の人が目的を達成するために、能動的・戦略的に上司に対してコミュニケーションを行うスキルです。
想定通りの質問が来るかどうかは仕事の醍醐味のひとつ
この心構えができると仕事が楽しくなりそうです。
段取り・優先順位付け
この本の優先順位付けは、「緊急度・優先度」をさらに深掘りしています。
- 他社か自社か
- 自社の中でも、他部門か自部門か
- 自部門でも、口頭か書面か
に細かく分類して優先順位付けを解説しています。
また、「メールはどういう場面で使うが効果的か」の解説もあります。
プライベートの時間との関わりについては、
日曜日の晩に1週間の予定をグループウェアでチェックしている人ほど生産性が高い
と、仕事を積極的にしたい人向けの管理方法が書かれています。
ぜひ読んでみてください。
4.良かった言葉/私の考え方
4-1 良かった言葉
「明日すればいい仕事を今日しない」という項目で、仕事を無理やりに詰め込むことで評価が下がる流れが解説されています。
少し長い文章ですが、とても良い文章なので引用をします。
上司が毎日10の業務をこなしてもらいたいと思っているときに、部下が勝手に前倒しで12をこなそうとすれば、残業が増えるのは当然です。
また、上司からすれば、たった10しか与えられていないのに残業しなければこなせないように見えるのです。
今の仕事であっぷあっぷしているように見える人に上司はより高いレベルの仕事を与えません。その結果、雑用ばかりが振られるようになります。せっかく前年で仕事に取り組んで行ったスキマ時間は雑用ばかりで埋め尽くされていくのです。
求められている以上の事を過剰にすることもまた、「過剰サービス」として自分自身を苦しめていくのですね。
こうした事は、だれも実際の職場では教えてくれません。読書をする人だけが事前に知れることです。
4-2 私の考え方
上司の立場からの視点で仕事術が解説されていることがとても貴重で、一級品の仕事術の本と感じました。人が集団になったときの心理や、物事の動き方への着眼点がとても鋭いです。
どんどん仕事をしたい人が前倒しで仕事をすればするほど評価が下がり、雑用で疲弊していくことは恐ろしいです。アダム・グラントの『GIVE&TAKE』に出て来る「自己犠牲型GIVER」であり、自分が受けるべき利益を取り損なっている状態は避ける必要があると感じます。
雑用を評価に含めるなら『雑用は上司の隣でやりなさい』も良質のビジネス書で、同じく上司の期待値コントロールの重要性が書かれています。
5.関連記事の紹介
時短をして生産性を上げるためには、仕事そのものに価値があることが大前提です。価値が乏しい仕事をいくら速くしたところで評価はされにくいです。
「ブルシットジョブ」は、そうした実益には結びつかないムダな仕事/疲弊する仕事を示した言葉です。この記事では、5種類のブルシットジョブ(=どうでもいい仕事)がなぜ生み出されてしまうのかを解説しています。
以上、『アウトプットがすごい人の時短のキホン』の紹介でした。
このブログでは、仕事術のほかに、だれでも気軽にできる職業キャリアのつくり方を発信しています。