このブログで、年間300冊のビジネス書のアウトプットをしていきます。(※期間:2024年12月28日~2025年12月27日)
6冊目は『生産性 マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの』です。
1.著者の経歴
- 一橋大学卒業
- 日興証券勤務
- University of Caliornia at Berkeley, Haas School of Business でMBAを取得
- Mckinsey and Company,Japan勤務
- 組織・人事コンサルタント
2.ビジネススキル
2-1 スキル表
1位 | 心構え・マインド | ◎ |
2位 | 教育制度づくり | ◎ |
3位 | 業務改善 | ◎ |
得られるスキルは1位が「心構え・マインド」、2位が「教育制度づくり」、3位が「業務改善」です。
2-2 位置づけ・読み方
「じっくりと理解する」本で、「理論的・抽象的」な内容です。
読書は「書かれていることを理解」して、「新しい着眼点を見つける」読み方がオススメです
3.内容
生産性の測り方
「生産性」の考え方は次のように示されます。
- 生産性の分子は成果で、成果が大きければ大きいほど生産性が高まります。
- 生産性の分母は資源で、投入しする資源(時間・労力・お金)が小さいほど生産性が高まります。
つまり、少ない労力で大きな成果を得ることができれば生産性は高まります。
【成果をふやす方法】
- 販売手法の工夫
- 手順の変更
- 新商品開発
- 新しいビジネスモデルを開発
【分母をへらす方法】
- コスト削減
- ビジネスプロセス再構築
- 分業体制の構築
著者は、日本企業はコスト削減に集中する傾向があると書いています。
生産性の評価方法
投入する資源の内訳には時間や労働力が含まれます。
昨年と今年では業務にかけられる時間や人数が違うので、評価は昨年比で行う方法が示されています。
属人性とは
著者は、仕事を属人化している人に対して次のように指摘しています。
自分の仕事を伝達可能な形に要素部内資、他の人にもできるようにすることで、組織の生産性を高めるという貢献ができない人
トップパフォーマーの扱い方
成果を大きくしているトップパフォーマーに対しては、成長の足踏みを防止する対策の必要性が書かれています。
ハイパフォーマー用に教育制度をつくる上での課題についても書かれています。
- 人事評価は人材育成のためではなく、昇格や評価(ボーナス査定)のためにある
- パフォーマンスが低い人に合わせて目標が下がる
- 平均的な人材向けの制度でポテンシャルを抑圧してしまう。
- 日常的に「自分よりできない人」とばかり働くようになる
飛び抜けて動きがいい人は、そのまま組織そのものも飛び抜けて転職していく可能性があります。
中高年の学び直し(リスキリング)
この本で書かれている目指す方向性は、中高年の人に対しても「生産性が高い人が長時間働いているハイパワーな会社」です。
この本は2016年の出版で、本格的な働き方改革が始まる前の本です。2025年の今も「ハイパワーな会社」を目指す方向性は業務に活かせます。
さらに社内でのリスキリングを推し進めるハードルも書かれています。
- 「いい年して研修を請けさせられる」ことを屈辱的に感じる人もいます。
- 中高年は教育しても変わらないとうそぶく人もいます。
国の支援の方向性
国のスタンスについても鋭い視点で言語化されています。
国の支援は生産性を高めるものではなく、生産性が低くても存続し続けられるようにするための手段
成長のためのフィードバックが不足している
- 仕事を分けて用意すること
- 学び直しの方向性を示してモチベーションを高めること
4.私の考え方・良かった言葉
4-1 私の考え方
雇われて働く限りは「何がその場所で評価されるのか?」を意識して動くことはとても大事だと考えています。同じ業種・同じ職種でも、評価基準は場所ごとにまったく違います。
さらに、成果を黙々と完了させておしまいにすることは大損で、完了した成果はどんどんアピールして、忙しい上司に知ってもらう必要があります。
「上司は何を見て生産性を測ろうとしているのか」の視点を教えてくれる大事な1冊です。
4-2 良かった言葉
生産性の考え方と合わせて、細かな手法も実践できる内容でした。
ブランク資料を作る。新人は5ページ1時間。「ここに情報が入れば意思決定できますね」という状態の資料をつくる
能力が高い人の基準を知れたことが良かったです。
5.関連記事の紹介
いろいろと周りの言動を気にしがちな繊細な人が、転職先の職場を選ぶポイントを解説しています。内向的な人は「人には元々暴力性がある」と性悪説を持つことで、自分自身の実を守ることができることを書きました。
以上、『生産性 マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの』の紹介でした。
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