2022年3月に読みたい本のリストです。
もうすぐ新年度が始まります。春先におすすめの本を選びました。
1.多様性・人材関係
2022年4月は、新しい人材が入社してきます。「明日の、今は見知らぬ人」との出会いに向けてチーム作りを考えるための本です。
心理的安全性のつくりかた
過剰に委縮する人、プレッシャーを与え過ぎる人、管理職のスキをついて"やってる感"を出してなまける人など色々いますね。
そうしたメンバーをなるべく排除せずにみんなの達成感を生んで、実績を上げるにはどうすれば良いのかを考える1冊です。
新版コーチングの基本
コーチングの入門書です。
チームでの目標達成に向けて、ものの伝え方や考える視点を見直します。4月1日からは中小企業でもハラスメント防止が義務づけられるため、必見の1冊です。
企業での導入例がたくさん書いてあります。発行元は日本実業出版社です。
あいつゲイだって
新しく入ってくる社員や、今いる社員の中に、LGBTQ+の人がいるかもしれません。
性的少数者であることを、本人の同意なく周知する「アウティング」をキーワードに、職場の人から性的マイノリティであると打ち明けられた時に、どんな行動をしていけば良いのかを考えます。
一つ目は、性的指向や性自認など、性のあり方に関する情報はなぜ暴露してはならないのか、という「属性」の線引きだ。(中略)
二つ目は、どういう「場面」がアウティングにあたるのか/あたらないのか、という線引きの問題だ。(中略)
三つ目は、アウティングは絶対にしてはいけないのかという、「許容範囲」をめぐる線引きの問題だ。(pp.147-148)
価値観や道徳の話で終わりにせず、行動ベースで考えるための本です。
人材定着25の実践
度を越して人が辞めていく職場をなんとかしないと!……
対策のステップを細かく分けてくれてます。「安心させる、なじませる、信頼関係をつくる、認める、自信を持たせる」と、改善方法を追っていきます。
2.小説・散文
一色一生
著者は志村ふくみさん。植物を煮出して着物の糸を染める染色家です。梅や桜を利用する職業人としての感性を追体験できます。
白梅と、紅梅にわけて、釜に盛り上がるほどの枝を煮出しました。煮上った液はまるで梅酒のような琥珀色です。(単行本p.17)
幹で染めた色が桜色で、花弁で染めた色がうす緑ということは、自然の周期をあらかじめ伝える暗示にとんだ色のように思われます。(単行本p.18)
クロストーク
脳外科手術EEDを受けて、テレパシーで感情を伝えられるようになった社会。"Noisy"な世界で、どのように人が声に対処するのか。気持ちを伝え合うことで感情が揺れうごく描写は見ものです。上下巻2冊。
ごく簡単な医療処置よ。たがいの気持ちを感じとることで、ふたりのあいだのコミュニケーションが円滑になるの。(p61)
だからいっただろ、意図せざる結果を招くかもしれないって(p.104)
3.自然科学
図解でよく分かる建築構造入門
地震が心配になったらこの1冊。
持ち家がある人や、木造に住んでいる人には、判断材料&安心材料になります。
建築に使われる材料から、荷重のしくみと耐久性、地盤のことまで、幅広く図解でわかりやすく解説されています。震災特集に合わせて読むのがおすすめです。
うんち学入門
社会では、うんちは見えない存在にされています。出した本人でさえ、便器の中をわざわざ見る人は少ないでしょう。
生物学的な便の効果や、動物集団にとってうんちの役割に目を向けます。今は介護食や胃ろうなど「食べる」ことが話題ですが、今後は体から「出す」ことに対してもメディアは注目するでしょう。
『うんち学入門』書評感想レビュー:腸内細菌、おしり拭きからエキノコックスまで
シリーズ人間科学1 食べる
スーパーに行けば何でも買える時代に、「何を食べるのか」から、「どのように食べるか」という段階にシフトしています。
- 黙職、会食など、食べ方に何が求められているのか。
- 人は栄養だけを求めて食事をしているのか、
- なぜ同じものを食べ続けると飽きるのか、
様々な角度から、食べ方に目をむけます。
4.医療福祉教育
インターネットポルノ中毒
それ、ポルノの見過ぎかも!?
無気力・集中力不足・不安感・うつ。これらの症状とポルノが関係する? 10代への影響は? どこからが病気の状態?
大手メディアではなかなか扱えないテーマに踏み込んだ、刺激的な1冊です。
教室の中のワーキングメモリ
「ワーキングメモリを鍛えて、マルチタスクができるようになりたいなぁ」
そう考えた時に、能力を鍛える方法や、弱さを補うヒントがたくさん載っています。脳の働きや学習理論をベースとした解説がされます。
パンツを脱いじゃう子どもたち
性教育が注目されているなか、放課後デイサービスで起きる生々しい性のトラブル事例が読めます。障害者の性のリアルな現状と、関わる先生たちの工夫が書かれています。
まとめ
今回は、一歩先の2022年4月を見越して本を選びました。
どれも読みごたえがあり、好奇心や読書欲を満たしてくれます。
今後は3月中に書評レビューを書いて、この記事にリンクを追加する予定ですので、しばらくお待ちください。
また、投資・トレードをコツコツ本で勉強している人に向けて、別の記事で本を紹介しています。【投資本】2022年3月おすすめの本:戦争中の資源高商品高&市場サイクル