音声・音楽・効果音でつくられるオーディオドラマはそれぞれの作られた時代を反映しています。
作品の中にスマホやツイッターやラインや新型コロナウイルスが現れ、男女平等や限界集落の話も出てきました。時代時代の社会を映した話は、きっとその機会を逃すともうその後にはきっと作品に出て来ることはないと感じる要素も多くあります。
新しい作品を作り続けたり、リスナーとして聞き続けることは、感性や価値観をアップデートし続けることにもつながっていると感じます。
最近放送された『あすかのレトロな冒険』では若者の主人公が、高齢の人が営むゲーム屋にいる人達とレトロゲームを通じて仲良くなる場面がありました。そしてその後に、同年代になじめない代わりに昭和レトロを追って高齢者と仲良くなることを追い求めることをいさめられるシーンがあります。
私の経験でも、10代の中高生で唱和歌謡や唱和漫画が好きな生徒さんがいましたが、その中には根っこからの昭和好きというよりは、「同年代になじめないから昭和レトロに心の安定を求める」印象を受ける生徒さんもいました。好きを求めているというよりは、用意された文化にぬるりと浸かっているようでした。
小説もオーディオドラマも、一番の心のエネルギー補給になる行動は、新作に触れ続けることだと思います。楽しい・つまらない・合う・合わないなどをどんどん選別することで、自分の好きな作品を見つけ出す力がどんどん高まると思っています。