このブログでは、キャリアチェンジをテーマに記事を投稿しています。
AIに代替されない掃除を、売上につなげるという視点でまとめています。
- 1. 時間の使い方の二極化に対応する
- 2.ニーズが先細りしない掃除の領域
- 3.足腰の価値が高まる時代
- 4.掃除を広報材料にする
- 5.『チーズはどこへ消えた?』が表すこと
- 6.掃除のタスク分解能力は、生成AIを使う能力になる
1. 時間の使い方の二極化に対応する
「超スピードでやりとりをする空間」と「ゆったりと過ごせる空間」の2極化はますます進むと考えられます。
掃除の価値(=成果)も、
- この人に頼めば、速くタスクを減らせる
- この人に頼めば、同じ場所で快適に過ごす時間を増やせる
の価値に2極化していくと考えています。
人が移動する活力の総量が減っていく日本では、後者の「掃除を前提に、快適に長く居てもらえる仕組みづくり」に関わることが大事だと考えています。
2.ニーズが先細りしない掃除の領域
多くの人は「自分が何も労力をかけないで、移動もしないで、同じ場所で同じサービスを受け続けたい」という欲があると思います。
掃除から「メンテナンス」に範囲を拡大すれば、
BtoCの分野では、
- 医療介護の領域
- 他の人がやりたくない場所の掃除(トイレ、生ごみ、危険作業)
- 高級衣類クリーニング
- 生活インフラ(水道、電気、ガス、通信、道路のメンテ)
BtoBの分野では、
- プラントエンジニア
- 土木(道路舗装、トンネル点検、耐震検査など)
も狙い目です。
3.足腰の価値が高まる時代
人が移動しなくなる社会では、「足腰の強い人だから肉体労働ができる」という価値付けにきっと変わると感じています。汗が流れる肉体労働を底辺と呼ぶ人は放っておいていいと思います。
- 「誰でもできる仕事」=「誰でもできる仕事を誰でもできる時間をかけてする人がする仕事」
- 「特定の"あの人"にしかできない仕事」=「誰でもできる仕事を、他の人ができない超スピードで仕上げる人がする仕事」
です。
超スピードで仕事をする人には価値が生まれます。成果(=価格)は同じでもプロセス(=価値)を変えることはできます。このことが、新幹線の清掃チームが「7分間の奇跡」として海外にまで紹介されている理由だと考えられます。
逆に価値が低くなりやすいと私が推測する仕事は、
- 業務量一定(=上司が切り分けしてくれる)
- 成果一定(=汚れていなければいい、創意工夫の変化を期待されていない)
- プロセス一定(=マニュアルで決められている。労働時間を全部つかってもいい)
の要素がある仕事です。端的に言えば、人との関わり方の創意工夫の余地が無い仕事です。誰かにキレイに切り分けられたタスクはスピードだけが勝負です。
4.掃除を広報材料にする
超スピードで定型業務を終わらせれば、「仕事を増やせる領域=契約をとる職業領域」を開拓することができると考えています。具体的には、
- 掃除の技能をTikTokで外部にアピールする
ことなどができるようになります。
すると知らず知らずのうちに、
- マーケティング・広報
- 営業
の分野にも業務範囲が重なり、契約という仕事のプロセスの上流にある仕事に近づくことができます。
仕事を終わらせて時給を減らしてしまう恐怖さえ乗り越えることができれば、契約を結ぶための仕事を増やすことができます。清掃技術とマーケティングの組み合わせは、いま狙い目かもしれません。
5.『チーズはどこへ消えた?』が表すこと
自己啓発書で有名な『チーズはどこへ消えた?』は、毎日与えられていた食料のチーズが減っていることに気づいたネズミが、新しいチーズの在りかを求めて探しに出る話です。
この話は、簡潔に言うと、誰が仕事をくれるのか自覚的であることの大事さが書かれています。
6.掃除のタスク分解能力は、生成AIを使う能力になる
業務を細かなタスクに分解して他の人に配分をする能力は管理職に求められる能力です。
清掃チームのまとめ役になった人は、突然この新しい能力が求められます。掃除は誰でもできる仕事と見られがちですが、掃除ほどプロセスの個人差が激しいタスクはないです。
- 与えられた業務内でタスク分解をして
- かかる時間を予測して
- 超スピードで実行して
- ミスや抜け漏れを自分で見つけてリカバリーをする
これらをすれば、清掃以外の職種でも活躍できると感じます。そしてこれらの能力は、そっくりそのまま、業務プロセスを作ってタスクを切り分けるリーダーの能力であり、生成AIにも指示を与える能力でもあります。
給料を上げるためには、「成果一定の業務を超スピードで減らし、契約につながる仕事を増やす」ことが必要だと考えています。
掃除は「人の痕跡を消す仕事」以上に、「人が快適な空間をひとり占めできるようにサポートする仕事」という考え方をすることで、これからの二極化する時間の使い方のニーズに応えられると考えています。