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【AIが苦手で奪われない仕事2】掃除には値札が付かない:人を呼び込む掃除

このブログでは、職業キャリアをつくるための考え方を発信しています。

 

私もしてきた再就職・キャリアチェンジを応援しています!

今回は、掃除に高い値段を付けるためにはどうすればいいか?」の視点でキャリアの作り方を整理します。

 

1.掃除は人の痕跡を消す仕事

掃除は「他人がそこにいた痕跡を、限りなくキレイサッパリ消し去る仕事」だと考えています。

 

人間の体から出る体液や、皮膚の組織が剥がれ落ちたり毛が抜けたりして、人がただ居るだけで場所は汚れていきます。ちょっと嫌な言い方ですが、人が動けば動くほど動物的なマーキングのようにDNAの残骸をまき散らすことになります。それを消す掃除は、人間が生きた痕跡を消す仕事として一定の需要があります。

 

たとえばファミレスでは、清潔な席を用意することがサービスの基本になっています。機械に掃除の全パターンのプログラムを教えこむよりも人間の方が速いです。

 

人間が入れ替わり立ち代わり移動するところには、必ず掃除のニーズが発生しています。

 

 

2.掃除で相手に届けられる価値

快適さを届ける

掃除で届けられる価値の一つは「快適さ」です。

 

他人の痕跡を消す上手さが、サービス品質に直結しやすい場所です。

  • ごみ収集
  • 葬儀場
  • ホテルや旅館
  • マンガ喫茶
  • カラオケの個室ブース
  • 映画館
  • 住人が退去した部屋の掃除
  • レンタカーの内装
  • クリーニング(=自分の過去の痕跡を消す)

こうした場所では、「次の人」がいればいるほど、掃除のニーズは高まります。

 

クリアな思考環境を届ける

ファミレスでは「自分の物が置かれていない、まっさらで清潔なテーブルがある」という状態にも価値があると考えています。

 

何か考え事をしたい時に、テーブルだけがあることはとてもありがたいです。クリアな環境で、ゼロ状態で考え事を始められます。

 

昔の小説家が旅館に泊まって小説を書いていたのも、まっさらな環境が欲しかったのかもしれません。

 

 

 

 

3.掃除には値札が付かない

人を呼び込むための掃除

掃除の仕事で私が気がかりなことは、「次の人が来ないと売上が増えない」ことです。

 

次のお客さんが来ない状態で、カラオケの個室をいくらピカピカにしても売り上げにはつながりません。掃除と売上の関係性を考えてその掃除のタスクが、外部にアピールできて売上につながる掃除なのか?の問いかけは自分にすることは大事です。

 

次の動画は、超スピードとエンタメを合わせた掃除サービスをとり上げた東京都公認の動画です。新幹線の清掃チームの働きぶりを高評価する動画です。人間が出しうる最大のスピードで、人間に腕があることの強みを感じさせる動画です。

 

「7分間の奇跡 7-Minute Miracle」

このように掃除がアピールされるのは、スピードに加えてお金持ちがサービスを利用するという要素も暗に含まれていると私は考えています。

 

そして、町中で牛丼屋やファミレスの店員さんも同じくらいのパフォーマンスを発揮していますが、万単位の支払いはされていないので「当たり前」として無視されている状況だと思います。

 

 

キレイが当たり前なら、付加価値は付けにくい

キレイな環境が当たり前で、超スピードへの認知やエンタメ性がない状態では、除そのものに付加価値を感じて頂くことは難しいです。

 

牛丼屋は牛丼に、新幹線は運賃に、それぞれ値段がついています。掃除には値段がついていません。

 

掃除の仕事で充実感を得るためには、「掃除がどのくらい人を呼び込むことにつながっているか?」の視点が大事です。

 

 

4.移動減少社会と医療介護施設の掃除は相性が良い

高齢者が集中する場所にニーズがある

日本で65歳以上の高齢者人口はどんどん増えて、2040年にピークが来ると予測されています。

 

総人口の減少と高齢者人口の減少が同時に起こったとしても、人が移動しなくなった街中に比べて、医療機関や介護施設の中での掃除のニーズは局所集中してどんどん増えると推測しています。

 

 

院内清掃はサブ業務

衛生の基準が高い医療機関であっても、掃除や整理整頓には値段がついていません。診療報酬を請求できる医師や看護師が行うコア業務の求人と、直接的には売り上げに関係しないサブ業務を行う院内清掃や医療器具洗浄の求人はハッキリと分かれています。

 

どれだけ床を磨いてピカピカにしたとしても診療報酬が決められている以上は、「コア業務あっての掃除」という図式は変わりません。

 

院内清掃はニーズの先細りを意識しなくても済む数少ない領域ですが、切り分けられたタスクはあるべき成果がすでに決まっている事がほとんどで、その結果にあまり期待はされていません。求められることは手際よく仕事を終わらせる最短、最安、最小限の労力です。

 

国が決めた診療報酬を職員で分け合うという天井がある限りは大幅な賃金上昇は望めないと思います。これはやる気や能力や学力の問題ではなく構造的なことです。

 

そこで、次の記事では、働く私たちの収入を増やす観点で「職業キャリアの中で掃除をどう位置付けるか?」を考えます。仕事の量を他人任せにしている状態から、

  • 掃除に値段を付けて人を呼び込める職種の選び方
  • 契約を結べる職業へのキャリアチェンジの道筋

を整理します。私が狙い目と考えている業種や職種の話もしていきます。