このブログでは、短期スイングトレードをテーマに記事を投稿しています。
決算発表がある企業群をスクリーニングして、前日に購入できそうかどうかを考えました。今回の対象は、2025年7月14日(月)の決算発表です。
結論は買い銘柄はなしです。「Sansan(4443)」は100株の新規売りをしようと考えています。
※この記事は投資売買を推奨するものではありません。また、投資は元本を保証するものではありません。必ずご自身の判断と責任に基づいて行動して頂きますようお願い致します。必ず先に免責事項のページも合わせてお読みください。

1.出来高と5分足でスクリーニング
私が重要視していることは「思っていた方向と逆の動きをしても、すぐに保有銘柄を手放せること」です。
そのため、買いのスタンスで一番最初にかけるスクリーニング方法は次の通りです。
- 1日の出来高が10万株以上ある。
- 5分足を見てスカスカではない。
- 5分足を見て一本線の多いチャートや、やバーコード状のチャートではない。
- 本決算で今期が赤字見通しは買わない。(たとえ次の期が黒字見通しでも。過去2025年5月14日発表の三菱製鋼5632の時は買わない)
こうしたスクリーニングをかけると、2025年5月14日(月)に決算発表をする企業群の中で、残ったのはSansan(4443)です。
2.無配成長銘柄を買うかどうか?
2-1 株主還元の方針
一言で表すと、「無配なので、配当狙いの長期投資家は買いにこない」と考えています。
Sansan(4443)は配当よりも成長投資に利益を振り分けています。還元方針でも「配当よりも成長投資」と書かれています。
※公式ホームページから引用
当社では、2025年5月期から2027年5月期にかけて、堅調な売上高成長の継続と調整後営業利益の成長加速を目指す中期財務方針を設定しています。この方針に加えて、足元の財務状況や株価動向並びにストックオプションの発行・権利行使による株式の希薄化率等を総合的に勘案し、株主還元の一環として自己株式の取得についても機動的に実施を検討していく方針です。また、中期的には定量的な株主還元方針の策定を予定しています。
ただし、現時点においては、事業が成長フェーズにあることから、財務体質の強化に加えて、内部留保の充実を図り、事業拡大のために必要な投資を実行していくことが株主の皆さまに対する最大の利益還元につながると考えているため、配当は見送りとさせていただいています。
無配なら、資金を集めるために「成長性」を打ち出す必要があります。私がパッと結びつけたのは営業CFです。これについて、ここ数か月で気になるIRがありました。
2-2 Uniposの有価証券売却損
Sansanが資本提携をしていたUnipos株式会社が2025年7月30日に上場を廃止します。Sansanは持っていたUniposの株式を手放すので、約22億9000万円の有価証券評価損を見込んでいます。
評価損は2025年7月14日に発表する本決算(2024年6月1日~5月31日)に含めるとしています。
2-3 当期純利益
この評価損を踏まえて、通期が黒字になるかどうかが大事です。
当期純利益の数字を見ると、
- 今期の第3四半期(確定済)は約16億9000万円。
- 第4四半期に含まれる有価証券評価損は見通しで約22億9000万円
差し引き約6億円のプラスが、第4四半期中にあるかどうかが大事だと考えています。
3.キャッシュフローの見え方を操作する
面白いことがわかりました。
今回SansanがUniposの株式売却にかかる評価損を確定させると、PL上の当期純利益はマイナスになる一方で、営業CFと投資CFがプラスになるということです。
例えば、100万円の評価額の株式を売却して、評価損が20万円、返ってきたキャッシュが80万円とすると、
- PL:20万円のマイナス
- 営業CF:20万円のプラス(※評価損は非現金項目として営業CFでプラスします)
- 投資CF:80万円のプラス
となります。
不思議なことに、PL上はマイナスでも、CFはプラスとなって「本業でしっかりと利益を出している」と成長性をアピールできます。
キャッシュフローと当期純利益、それぞれのプラス6億円は同じように見えて実は別物ということですね。「キャッシュフロー計算書だけを見て、通期利益の見通しをつけることはできない」と知ったのが今回の発見でした。
私は次のような勘違いをしていました。
- 「過去のQ4でキャッシュフローの数値を調べて、今期のQ4もプラス6億円以上になりそうなら、通期の当期純利益を黒字化するための6億円をまかなえる」
- 「営業CFが5期連続で伸び続けているから、今期も伸びて、売却損を埋めてくれるだろう」
会計制度を活用したIR戦略はとても面白そうです!
この先は詳しい財務分析が必要ですが、時間と能力が足りません。そこで、行動ベースですることを考えました。
4.決算後に翌日の押し目で買う:発表資料を推測
Sansanについては、
- 当期純利益がプラスかマイナスかは不確か。
- 「コンセンサスに未達」という文面が書かれる可能性が高い。
と考えて、当期純利益がプラスだとしても、「コンセンサス未達」の文面の影響から下落する可能性が高いと想定して、決算前日には買わないことにしました。逆に想定が正しいか、自分の大事なお金を投入して100株の新規信用売りを試す見込みです。
一旦売られますが、CFは見栄えが良いので、投資家に将来の成長性を感じさせるとも推測しています。
- 営業CFは6期連続上昇プラス、伸び幅も増加
- 投資CFがプラス
また、財務も悪くないと見ています。
- 「現金及び現金同等物の期末残高」が累計で約247億円、流動比率145%。
コンセンサスを出している機関投資家の資金の方が多いことを想定して、
- 寄付~前場は売りトレンド
- 午後にかけて下落が落ち着いてきたら、時期の業績を見越した買いが入り始める
と想定しています。
ここで移動平均線の話を出すと、週足の中期移動平均線が右下がりのまま継続中です。テクニカルで考えた時には、素直に下落する想定の方がしやすいです。
5.まとめ。7/14(月)の行動
- 決算前日に新規売り100株。
- 翌日13時までに売建玉を決済
- 行き過ぎた株価になった場合、ボリンジャーバンド-3σから-2σの下落があれば買い集める。
7/14(月)の決算発表企業の中で出来高のある決算発表銘柄は少ないです。この間のウェザーニューズのように、Sansanも大きく上下にぶらされる動きがあるかもしれません。
Sansanの決算発表は、どう評価されるのか未知数です。私にとっては難しい銘柄です。
今は、無配成長株がどういう動きをするのかを試している段階なので
- 無理せず100株から
- 新しいことをする時は小さく試す
などのスタンスを心がけて、スイングトレードで相場に向き合いたいです。
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7月中旬の私の相場環境の見方はこちらです。